英字ビスケット

戦後70年以上も経つと本当に世の中の価値観が変わってきている。日本人という定義もそうだ。ついこの間までは「日本人は単一民族なので、国としてのまとまりがある」などと公に言われていたが、今こんなこと議員が言ったら人権問題で大変なことになる。でも戦後ずっと増えてきた国際結婚は最近では減る傾向にあるというのだ。国際結婚の難しさなどがクローズアップされ、内向きになってきたのか理由はよく分からない。でもいま日本には様々な人種やその子弟も多く住む。日本に住んでいて国籍が日本なら日本人という認識も大分広がってきた。以前の様な人種差別的な言動も殆ど見られない。

「この子って日本人なの?」かつて欧米の語学学校などに視察いくと、日本人のアイデンティティーを捨て、欧米になりきろうと努力している日本人の女の子もよく見受けた。語学研修を受けているうちに徐々に、思考やジェスチャーもアメリカ人そっくりになる。日本文化など聞かれても、総じて日本の事は何もご存知なく興味も持たない・・・。でも最近ではこの様な脱日本人の若者も減っているらしい?逆に内向きで余り外国には興味を持たない。確かに日本は清潔で住みやすいし、日本人の慣習、思考、美意識などは世界から注目されている。しかし彼らが学ぼうとしている日本文化を正しく継承し、それを伝えるために英語を話す必要もある。

我々戦後世代は欧米人に対しどこかコンプレックスを持っていた。これは小さいころ進駐してきたアメリカの政策による所が大きい。日本文化や歴史観の全面否定教育により、自国に対する自信が持てなくなり、アメリカ崇拝の念を植えつけられたためだと思う。子供の頃のトラウマは大人になっても中々抜けない。英語を話す人は偉い人というバカバカしい感覚がどこかに潜んでいて、彼らの顔を見ただけで臆する気持ちが先立った。でも中国人などはこのような感情は無く、どんどん話しかけるので英語がじきに上手くなる。言葉はコミニュケーション手段なので、話さないと始まらない。外国に行かないので英語など話す必要が無いと、開き直っても外国が日本にやって来る・・・!でも一方では翻訳機も劇的に進歩している。

子供の頃、英字ビスケットとういお菓子があった。なんということは無いシンプルなローマ字型を抜いたビスケットで、これで食べながらABCを学んだ。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

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