アメリカザリガニ

先日ラジオを聴いていたら、アメリカ・カントリーウエスタンの代表曲であるジャンバラヤという曲が流れてきた。バンジョウの刻む軽快なリズムのその曲は、あまりにも有名なので皆さんもご存知たと思う。私もこの曲は好きなので若い頃にはよく聞いていたが、曲の名のジャンバラヤという料理は今だに食べたことがない。パエリヤに似たその料理はザリガニなども入れるというが、アメリカザリガニが本当に食べられるのかどうかは疑わしい?日本ではアメリカザリガニは明治時代にウシガエル(食用カエル)の餌とするために、アメリカから持ち込まれたようで、その一部が逃げ出しあっという間に全国に拡散したという。

このアメリカザリガニは私が子供の頃、近くの池や川にたくさんいた。共食いするので一匹捕って、その身を取り出し糸に結び水中に投げ込めばいくらでも釣れる。何人かでバケツいっぱい捕ったがその処分にはいつも困る。そこで鶏を飼う近所の家に配ったりもした。しかしこのザリガニ、スウェーデンでは高級食材だという。夏になると野外でザリガニパーティをやり、茹でたザリガニの胴体をむしって尾の部分を食べる。そして次に胴体の奥に潜む味噌をチュー、チュー音を出して吸うという!食事時の擬音などマナーにうるさい欧米人も、ザリガニを食べる時は例外で吸って音を出しても良いとか!

音を出して食べるといえば、日本では落語の蕎麦の食べ方がある。たぶん昔はあのように、すすって蕎麦を食べていたのであろう。しかし今でも蕎麦屋に入ると本当に大きな音を出して、蕎麦をすする人がいる。先日蕎麦屋でザル蕎麦をたのみ待っていると、大きく蕎麦を吸う音が聞こえてくる。「勘弁してよ!もう少し静かに食べろよ、お願いだから!」心中叫ぶが、本人はいったって気にしてない。これって日本の文化でしょうと平然としている。私も食事の時の擬音は気になるので、蕎麦は静かに食べようとするがやっぱり多少音はでる。最近若い人の間でクチャクチャ食べる人をクチャラーと言うそうで、女性にも嫌われる。日本も国際的になり、外国人との会食も増える。いつまでも音を出して食べても平気なローカル文化、個人的には肯定はしたくない

時代と共に食もマナーも変わる。世界の人口が増えると海も汚れ、魚など自然食材も枯渇する。でもザリガニは食べたくない。

(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

軍艦巻き

私はイクラ好きで鮨屋に行くと必ず注文する。すると海苔で軍艦巻きにされたあの握りが目の前に置かれる。しばしその美しいオレンジ色の粒に見とれゆっくりと口に運ぶ。特にシーズンに出される、まん丸な生の醤油漬けのイクラは最高だ・・・。だがこの軍艦巻きという握り、子供の頃は見たことが無かった。いつ頃だれが最初に考えた出したのか調べて見たら、余り定かではないが1941年に銀座の鮨屋(久兵衛)か始めてそれが徐々に広まったとか?しかし考えて見ると、この軍艦巻きの手法は画期的な発明だ!これにより軍艦にすれば何でも寿司ネタになる。「ええ、こんな物も寿司になるのか?」いま回転寿司に行くとこの軍艦で巻かれた、驚きの寿司ネタの握りが目の前を通過する。

イクラとはロシア語で魚卵の意味だそうだ。ロシアではイクラを塩漬けにしてキャビアのようにパンに乗せて食べる。もう50年ほど前アエロフロート(ロシア航空)に乗った時に、太っちょのオバサンスチュワーデス(当時のソ連ではスチュワーデスは国家公務員で普通のオバサン)が運んできた機内食のランチプレートの中にイクラも入っていた。英語でレッドキャビアと呼んでいたイクラはパンに乗せて食べる。でもイクラのオープンサンドは余りいただけない!やはりイクラはパンでなく、ご飯が旨いと思った・・・。カナダでは以前イクラは食べずに内臓と一緒に全部捨てていた、という記事を読んだことがある。でも今では日本に輸出するそうだ。

最近サーモンはノルエーサーモン、チリサーモンなど色々な国からやってくる。でも元来サーモンは日本からロシア、カナダにかけてのベーリング海域にしかいないはずだ。これは地理的な問題で湾のように封鎖されていないと、鮭が海流に乗ったまま生まれた川に戻ってこられないという。だからノルエーやチリでは稚魚を放流しても、鮭が迷子になりタマゴを産めずにやがて死んでしまうという。そのため狭い生簀で鮭を養殖する!また餌には魚のクズや抗生物質、生でも食べられるように寄生虫を殺す殺虫剤などを投与され、危険な有害食品だと問題になった。あんな回転寿司で見る脂の乗った、白いトロサーモンなどは自然にはありえないそうで、食べるのを躊躇する。

今日は表題とは別に最近作った抹茶茶碗を掲載する。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

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