茶飲み話・シャリ

シャリは漢字で「舎利」と書く、もともとは仏教用語で火葬されたお釈迦様の骨の事をさした。でも細かく砕かれた骨の形と白い色が、米粒に似ていたからシャリと呼ばれる様になったらしい。むかしお米は仏舎利に例えられるほど、貴重で尊い食べ物であった証であると思う。

「ついに出ました。これぞ究極の回転寿司!」皿に乗った三貫のニギリでたったの110円。このニギリは通常より少し大きいので、私なら二皿で満腹になりそうだ・・・。数ヶ月前にあの有名な「カッパ寿司」から、具の乗らないシャリだけの握りがメニューに加わったという。なんでも「うちの寿司飯は最上の米を使っているので、是非そのままで食べてみてください」というコメントがそえられた。

確かに寿司屋にとってシャリは命。シャリに自信を持つことは重要であると思う。最近の回転寿司屋では寿司のほか、様々なメニューが混在している。このカッパ寿司でもサイドメニューとして出していたラーメンが知らぬ間に人気となり、いつの間にかメインの座に!結果として何屋だか分からなくなったので、原点帰りのメッセージとして「ほんき寿司」と命名しシャリにこだわったという。

ところで米が貴重だったと言えば、以前中国では米を輸入する外貨もなく貧しかった毛沢東時代に、米の不作が何年か続いたことがあった。そこで原因をスズメの繁殖にあると断定した共産党は、スズメの抹殺指令を全国の農民に告知する・・・。すると日本と違い、どこまでも真っ平らな平野の続く中国の水田では、スズメ退治などたやすい。農民全員が田んぼに出て、缶等を打ち鳴らしスズメを追い立てる。すると止まり木など全くない広大な水田では、飛ぶことに疲れたスズメ達がバタバタ地上に落下してくるという。そこを捕らえれば簡単に駆除できたらしい。

スズメの消えた水田を見渡し「これで今年の豊作間違いなし!」とニッコリ微笑む毛沢東主席・・・。ところが現実はそんなに甘くない。こんどはスズメがいなくなった影響で病害虫が大量発生し、前年よりも不作になったという。その中国では今あろうことか、共産党習近平が毛沢東時代に再び戻そうとしている。中国が内向きになり、軍備拡張を続ければ日本にとって大きな脅威になる。(写真は御飯茶碗。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

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