茶飲み話・アルミ缶

「小麦の国際価格が日々急上昇している!」ウクライナでのロシア侵略により戦闘が激化し、大規模な穀倉地帯でもあるこの地域で、小麦の生産が出来なくなるとの思惑があるからだ。原油、天然ガスはすでに高騰し、そのうえ穀物や非鉄金属まで上昇すると、いよいよインフレの恐怖がやってくる。このまま賃金や年金が上がらずに諸物価だけが上昇するば、日本は(スタグフレーション)不景気の物価高になる。

ロシアでは欧米の銀行によるスウィフトとよばれる銀行決済が停止され、外国との通貨移動が出来なくなった。そのためロシアルーブルは暴落し、物価高騰を招くので庶民は銀行に駆け込み、預金をおろしてあらゆる商品を買いまくる。でもこうなると困るのが低所得者や年金生活者である。前回のソビエト崩壊の時も一番困ったのは年金暮らしの「おばあちゃん!」。かわいそうに狂乱物価により月の年金でトマト5個しか買えなかった。

「日本でもまた数十年前のあの時代がやってくる予感」。我が家ではゴミ出しはずっと以前から私の仕事である。私は目覚めが早いので勝手口を静かに開け、曙の陽をたよりにゴミを分別する。でも面倒なのが資源ゴミのアルミ缶だ。一個ずつ時間をかけて潰して袋につめる。そしてやっとの思いで収集場所に置くと、一時間もしないうちにアルミ缶だけが消える。誰かが収集車が来る前に持ち去ったのだ。

別にアルミ缶の行方などどうでも良いのだが、ロシアからのアルミの供給が滞ると、値上がりにより最近は見かけなくなっていた、資源ゴミの横取りが復活する可能性もある。早朝もしアルミ缶袋を自転車にくくりつけ、うろつくオッサンを見かけるようになったら、インフレには気をつけてください。それが物価高のバロメーターかも。

先週のニュースでタクシー料金を値上げするというコメントがあった。先月電車料金の大幅値上げを聞いたばかりだ。今後電気料金もうなぎ登りだという。日本人はデフレ時代が長かったので、日々物の値段が上昇する狂乱物価をわすれた。これから銀行預金は減価し続けるので、株式、コモディティなど多方面にリスク分散を心がけたほうが良いと思う。(ウクライナ問題が解決しなければ、年金生活者のサバイバルが始まる。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

© 2024 冨岡陶芸工房 勝田陶人舎