茶飲み話・笑点」

先日おなじ団塊世代の三遊亭円楽さんが病気のため帰らぬ人となった。まだ享年72歳なので現代では早死にといえる。最近テレビをあまり見ない私も「笑点」だけは毎週日曜日の夕方、ビール杯片手に欠かさず視聴している。別に落語好きなわけではないが、関西系の吉本漫才などは心底馴染めないので、コジャレタ江戸のギャグには思わず笑みがこぼれる。特に円楽の政治風刺ねたは彼独特のアイロニーで表現され、頭の回転の速さは笑点メンバーの中でも群を抜いていた。

私がニュースと笑点以外のテレビ番組を見なくなった主因は、テレビ視聴に時間をさくと時代に遅れる!と感じるからである。NHKの大河ドラマなどもう数十年も見ていない。毎週日曜日の宵にじっくりとドラマの進捗を眺めているほど暇ではない。連続ドラマなど30分のダイジェスト版でそのあらすじが確認できればよい。それよりネットにアクセスすれば世界中で起きている様々な事象が、リアルに伝わってくる。

「巨人、大鵬、力道山!」戦後も昭和30年代に入ると、テレビが爆発的に普及し始める。プロレスの放映に始まったスポーツ中継は大人気になり、大相撲、プロ野球中継へと伝播する。戦争でアメリカに徹底的に打ちのめされ、多くの日本人は白人コンプレックスを抱いていた。なんとかアメリカ人にリベンジしたいの思いをくすぐり、登場したのが相撲取りからプロレスラーに転進した力道山である。かれが米国人プロレスラーを空手チョップで倒すと、日本中がわきあがった。私もプロレスが茶番劇とも知らず真顔で力道山を応援した。

この頃はまさに白黒テレビの黄金時代で、夕方7時から9時までのゴールデンタイムは多くの日本人がテレビの前で釘付けとなる。テレビの見すぎで子供達も勉強がおろそかになり、「テレビ亡国論」まで飛び出し社会現象に・・・。それが時が変わり現代ではスマホの見すぎで頭がバカになると注意喚起されている。もうすでに若者はテレビなど見ていない。テレビは消え行く過去のメディアなのだ。

受信料を払ってまでNHKなど見る価値も無く、民放を牛耳っていた電通も神通力を失う。これからはピア・ツウ・ピアで、人々は直接情報のやり取りする・・・。時代のページはめくるためにある。テレビは数ページまえで、前のページはパソコン、今はスマホで次のページはいよいよヘッドマウントディスプレイのメタバース、そしてマトリックスのスマートグラスへと続く!(過去を懐かしみ、未来を思考する。勝田陶人舎・冨岡伸一)

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