火薬

いよいよ秋も深まり運動会のシーズンでもある。だが最近秋に行われていた運動会が、春に開催されることが多くなったようだ。秋は子供達も志望校への受験をひかえ勉強に集中する時間が欲しいということらしい。運動会といえば打ち上げ花火の破裂音で、朝その開催を知った。それと徒競走のスター合図に使用された火薬ピストルの破裂音も、最近音が小さくなったのか、あまり聞えてこない。遠くから聞こえたスタート合図のピストル音と子供達の歓声で、運動会の熱気が伝わって見物に出かけてたこともある。ところで近年相対的に火薬の使用が控えられるようになってきている。夏の夜の子供達の花火遊びはおろか、マッチすらもう何年も見てない。

「今夜、俺の家で花火やるぞー!」と友達からの誘い。まだ小学生だった夏休みの晩、近所で子供のいるどこかの家で花火を上げていた。別に事前に持ち回りで決めていたわけではないが、なんとなく順番に行なって毎日だれかの家へ行った。それ以外にも遠くで花火音が聞こえると、外に飛び出して馴染の無い家にも見物に出かけた。クーラーのないころ家の中は夕方でも暑い、外に出て花火の音を聞くと暑さも忘れ、火薬の臭いと煙で蚊もよってこない。寝苦しい夏の夜の夕涼みに花火は最適であった。火薬といえばそのころ昼間の花火で音と爆発力が強く、水中に入れても消えない2B弾というすごく危険な花火が、男の子の間で流行った事があった。

「すげー、こっぱ微塵に吹き飛んだぞ!」子供は残酷だ。捜してきた牛乳瓶に水を満たし蛙を入れ、2B弾を差し込むと直ぐに逃げる。するとおよそ10秒で爆発!空の牛乳ビンは割れないが、水を満たすとあの分厚いガラスの牛乳瓶が見事に吹き飛ぶので、もう面白くてしょうがない。でもこの2B弾!親達からの反対で、ある日突然に駄菓子屋から消えた・・・。最近は子供の減少などにより街がとても静かだ。大声を出す人もめっきり少なくなった。むかし平気だった遠くの人を大声で呼び止める行為も、今では気がひける。もし当時と同じ場所にタイムスリップしてみたどうだろう?子供達の叫び、赤ん坊の泣き声、癇癪ダマの破裂、ポンコツ車の排気音、下駄で歩く足音、などなど騒音だらけだと思う。

アメリカでは銃規制が難しく、銃による犯罪が後を絶たない。トランプさんは全米ライフル協会からの支援も受けているので銃規制には反対だ。でも機関銃までが銃砲店で買えるのはもうクレイジー!(写真は日本刺繍の額、父親遺作で拡大して見てください。勝田陶人舎・冨岡伸一)

温暖化

このたびの組閣で若干38歳の小泉進次郎君が環境大臣に就任した。彼は最近滝クリとも「出来ちゃた結婚!」いよいよ準備万端、将来の首相候補としての階段を一歩一歩の上っていくことになるのか?就任早々先のニューヨーク国連本部で行なわれた「気候行動サミット」では「脱炭素社会への実現に向けて、各国と協力していきたい」などと単純明快な英語で訴えた。彼は関東学院大学からコロンビア大学の大学院に進学したが「まともな英語が話せるのか?訳の分からないセクシーなどという言葉をあの場で使って」とマスコミには非難されたが、流暢な英語を話す河野大臣よりも愛嬌があって良いと私は感じた。しかしこの会議ではCO2排出量の最も多い肝心のアメリカがパリ協定からの離脱状態では、CO2削減も進まない。

もしこのままCO2が増加し温暖化が進むと、グリーンランドや南極の氷が解け海水面が上昇する。1メートル上昇するだけでツバルなど、南洋のサンゴ礁の国々やデルタ地帯のバングラディシュでは国土面積の多くを消失する。するとこれらの住民は移住先を求め、難民として海外に出るしかない。幸い日本は地図で見ての通り山地が多いので危機感も余りないようだが、国土のほとんどが平野の国では心中おだ穏やかでない。でも考えて見れば地球規模での海水面の上昇下降など、歴史を振り返ると常に起きている。万葉の頃はここ市川も今より少し海水面が高く、真間山下まで海水が流れ込んでいた。今住んでいる私の自宅も当時は遠浅の海で、その証拠に1メートルも掘ると貝殻が沢山出てくる。東京も丸の内から東、下町は殆んど湿地や海であった。

最近東京湾岸の埋立地には沢山のタワーマンションが建ち並ぶ!よく考えて見ればこれは非常に問題で、より危険な場所へと移動していることになる。それに一箇所に高い建物が集中すると、重さに耐え切れず地盤そのものが沈んでいくという。たとえば南極大陸では氷が積み上がり山の殆んどの部分は氷で、その重みで実際の地盤部分は海抜以下なのである。氷がとけ軽くなると徐々に地盤も上昇してくるそうだが、どのくらいの高さになるのか分からないらしい。もう40年もまえ首都を那須高原などに遷都する話しもあっが、その後頓挫した。これから国家百年の計を考えると標高が高く、より寒冷な場所への首都移転を本気で考える必要があるのではないかと思う。

先月千葉県では台風の直撃を受け、強風に煽られた木々の倒木により停電が長く続いた。温暖化により台風の勢力も今後増してくるという。八千代市のわが工房も森から吹き飛ばされた枝や落ち葉でご覧の通り。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

ジーンズ

最近インディゴのブルー・ジーンズを履く人がめっきり減ってきたという。さすがにジーンズが流行り始めて60年以上たつと、そろそろ飽きが来ても当然だと思う。しかしブルー・ジーンズは流行の栄枯盛衰をこれまで何度も繰り返してきて、すたれたと思ったらまた流行りだすボトムパンツのスーパーアイテムでもある・・・。団塊世代の我々はジーンズと共に育ったといってよい。記憶によればジーンズは戦後、進駐米兵が普段着として履いていた中古品を、バッタ屋が買い集め上野アメ横高架下の闇市に並べて売り始めたのが最初だと思う。当時のアメ横は小さな露天商が軒を連ねる闇市の名にふさわしい、いかがわしい雑然とした雰囲気の界隈であった。そこでは米軍の各種放出品や密輸品、軍服などが並べられ、通常日本では手に入らないレアーな品なども買うことが出来た。

ブルー・ジーンズといえば私はずばり寺内タケシ率いるエレキバンド、ブルー・ジーンズを思いうかべる。エレキの神様と呼ばれた彼はベートーベン「運命」のクラッシクから津軽三味線のジョンガラ節まで、幅広くエレキの楽曲にアレンジし人気があった。そして彼らの火付け役となったのはアメリカのエレキバンド、ベンチャーズである。そのアップテンポで乗りの良いサウンドは日本の若者を魅了し、エレキギターを自分でも弾いて見たいと誰もがあこがれていた。私も当然エレキギターを手に入れたいと望んだが、これがとてつもなく高額!アンプとギターのセットで20万円(当時日大の入学金が20万)もしたのだ。さすがに私も父親にエレキギターを買ってくれなどと、アホなことは言いだせなかった。

「この曲を聴くと自分は元気になるという曲は誰でも2,3はあると思う。私の場合はあのエレキの名曲、軽快なベンチャーズサウンドのダイヤモンドヘッドとパイプラインである。二曲ともサーフィンの曲でダイヤモンドヘッドとはワイキキの浜辺から望める山の連なりの尖った先端部の通称で、サーフボードで沖に出てると目に飛び込んでくるらしい。でも東に面したワイキキビーチには余り高い波はやってこない。そこで大波の来るサーフスポットはなんと言っても、オアフ島北向きの海岸地域ノースショアである。ここでは低気圧の墓場といわれるベーリング海から常時大波が届く。そしてその大波が崩れ中が空洞になると、いわゆるパイプライン状の波を形成する。この中をサーフボードに乗って入って行く、イメージは膨らむが実際に私はサーフィンの経験はない。

我々が高校時代ファッションはVANのアイビールック。憧れの三種の神器はエレキギター、サーフボード、オープンカーといわれたホンダS6だが、これすべてが高額で手が届かなかった。

すいません。私のこのブログ、都合により10月中旬まで一時お休みします!ではまた次回。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

ホンビノス

先日ホンビノス貝のボンゴレが食卓に上がった。なんでも東京湾の浅瀬では最近アサリ、ハマグリの他にホンビノス貝が沢山採れるという。北米原産の大きなアサリに似たこの二枚貝は、貝の幼生が貿易船の船底について日本にやって来たらしい。だが最初は厄介者として敬遠されていたこの貝も、数が増えるにつれて食材として注目されるようになる。アサリより肉厚のその身はハマグリのような香りはないが味はマアマアである。私は二枚貝では赤貝、ホタテ、タイラ貝が好きだ。でも二枚貝は種類も多く、なかには真珠をとるアコヤ貝のように食用に向かぬが、貝殻の内側が虹色に輝く非常に美しい貝もある。太古にはこれら珍しい貝は物々交換の代わりに、貨幣のとして代用されたこともある。漢字では確かに貨幣の貨の字は貝が化けると書く。

ちかごろ「貨幣って、一体なんだ?」と考えることがある。貨幣は初め美しい石や貝殻などが代用されていたが、そのご金、銀,銅などのメタルにと変わる。とりあえず一番美しく産出量の少ない金の価値が高く、銀、銅がそれに続いた。そしてこれらはその後コインに加工され、世の中に流通し始める。そして次にメタルは重いので、いつでもコインと変えられる借用書の形で紙幣が発行された。ここまではジジイの私でも理解できる。しかし近世になり銀行が設立されると、貨幣は通帳の中に記載される数字に化ける。お互いの通帳の数字だけが瞬時に飛び交い決済は完了する。このときは実際には紙幣すら必要ない。そのため実際に世間で流通している金額の十分の一しか紙幣の発行量はなく、もし我々が通帳の金額をすべて現金に変えてたら、すぐに紙幣は枯渇するという。

「ビットコインて一体何だ」最近ビットコインと呼ばれる仮想通貨の話が良く話題になる。しかしこの実体がよく分からない。それも当然で実体がないから仮想通貨と呼ばれているらしい。何でもインターネット上での電子決済に使われているそうで、パソコンやスマホの中で流通するという。ブロックチェーンともいう、このシステムはデータベースがサーバーによる一元管理でなく、各自のパソコンやスマホの中にデータが共有されるので、改ざんが難しく安全という。クリプトカレンシーとも呼ばれる仮想通貨は紙の預金通帳すら存在しないのである。財布をいっさい持たないで買い物できるのは便利だが、もしデーターが消えたら虎の子を全部失うのか?いや自分のパソコンのスマホのデータが消えても、他者のパソコンやスマホにデータが残るから問題ないという。

でも太陽の黒点が活発になり、強力な磁気嵐が吹き大規模な通信障害が長期に起きて貴重なデータが消えたら、俺の仮想通貨の100億も一瞬にしてパーだ。やはり貨幣は仮想で無く実体のあるゴールドがベストだと思う。

(勝田陶人舎・冨岡伸一)

シベリヤ

「冷蔵庫にシベリヤが入っているわよ」という妻の声に促されて扉を開けると、「あれー、これがシベリヤか?」見るとシベリヤがロール状になっている。子供のころ良く食べたヤマザキのシベリヤは、確かカステラと羊羹のサンドウィッチ状で、四角か三角に切ってあったと思う。初めて目にするその形にまずは戸惑うも、封を切り久しぶりに一口噛み締めると、子供の頃の記憶がよみがえった。当時シベリヤは庶民にとってはまだ高級品で、来客時に供される程度であった。カステラと羊羹の組み合せであるシベリヤ作りには手間がかかるようで、販売するパン屋は地元市川ではヤマザキぐらいであった。そのヤマザキでも各種菓子パンと違い、シベリヤは一段格上でガラスケースの中に収められていた。「

でもこの菓子のシベリヤという名の由来はなんだろう?そこで調べて見ると起源は大正時代で日露戦争にちなんだらしい。平行にどこまでも走るシベリヤ鉄道線路のイメージと、シベリヤ大地の永久凍土と表土の層に見立てたなど諸説あるらしい。その頃はまだカステラも羊羹も菓子としては高級品で人気があり、旨いこの二つを重ねて同時に食べたいという発想も当然わく、確かにシベリヤを最初に考案した人は相当グルメだったに相違ない。その他アンコとカステラとの組み合わせで、シベリヤに良く似た菓子にドラヤキがある。ドラヤキはウサギ屋など今だに人気継続中だ。ではどちらが先に考案されたのか調べてみると、ドラヤキは約800年も前からあるそうで、源義経一行が奥州に逃れる際に立ち寄った民家で食したという記述もあるという。

好き物を同時に食べたいという欲張りな思いは誰にもあると思う。私も若いころ食堂に入りメニューを眺めてカツにしようか?カレーにしようか?迷うことがあった。自分がカツをオーダー、すると連れがカレーライスを注文!そして運ばれてきた皿を比較して「ああやっぱり、俺もカレーにすればよかった」どういうわけか相手の皿の方が旨そうにみえるのだ。でもこんな時そんな迷い人のために最近カツカレーなどのメニューがある。ところが歳を重ねと徐々に小食になるり、好きな物のダブルメニューが完食できない。そこでカツカレーをご飯少なめでオーダーするが、それでも量が多い。残すのもモッタイナイので最近ではカツの量まで半分で注文する。

団塊世代も70を過ぎシニア世代が爆発的に増える。量は半分で価格は7割そんなシニアメニューが出来ればうれしい。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

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