茶飲み話・人生
「時の流れは早い」。気がつけば後期高齢者という嫌なレッテルを貼られる年になってしまった。今までの人生を振り返ってみると、私ほど好きなことだけをして、自由に人生を享受した人間も少ないと思う。私は子供の頃から束縛されるのが大嫌い。そのため学校や会社勤めなど、自身を拘束する組織といかに係わらないで過ごすかを考えてきた。
人生など「ある秘密」を知れば誰でも思い通りに生きられると思う。でもこの秘密殆んどの人が実行しない。その秘密とは、「人生思えば必ず叶う!」自分がこうしたいと強く望めば必ず天に届く。私は自分の願望を描くと、それを具体的に脳裏に写し、実現できるまで執着した。人生は一度きり、自分は楽しむために生まれてきたという思いが強かった。
「高学歴の人は気のどくな面もある」。なぜなら一流大学を卒業し一流会社に勤めると、その仕事が不向きでもなかなか辞められない。「辞めたい」と口に出せばせっかく努力して入社したのにと、親やまわりからの反対にあう。そこでしかたなく一生組織に縛られてストレスをため、人生を棒に振る。高学歴は大企業や役所にいてこそ威力を発揮するのだ。
私はお金のために自分の貴重な時間を売ることを嫌った。それはお金と時間のどちらが大切といえば、もちろん時間のほうが大切と思っていたからだ。時間はお金に代わるが、お金は時間に代わらない。いくら金持ちでも死ぬ間際に、全財産であと一年売ってくれと望んでも無理な話である。だから私は自分の人生時間は自身のために多く使いたいと願い、時間の切り売りは最小限にとどめた。
私のこの考えは年少の頃から芽生えていたので、たぶん父親の影響によるところが大きい。私の父親も社会的通念を嫌う、根っからの自由人で軍国主義や天皇制などに否定的なリベラリストであった。浅草育ちの父親は若いときからジャズやアメリカ映画が大好きで、ハリウッドに行く目標をたて渡航の準備までしたが、それは夢に終わったと聞いた。(定年などない私は現在も、好きなことをやり続け人生を楽しんでいる・・・。勝田陶人舎・冨岡伸一)