茶飲み話・ニーサ
昨年、岸田政権がニーサ枠の拡大を決定した。その内訳は一般ニーサが現行の年間120万円から、24年度以降は倍の240万円となる。そして期間は無期限で最大1800万円まで無税となるそうだ。積み立てニーサも年間120万円がプラスされるので、そのメリットは非常に大きい。新しいこの制度を利用する人としない人では、将来に大きな資産格差がつくと想う。
なにしろ今の日本は財政赤字が1000兆円を超えて、膨大な借金国家になっている。それに対し個人の金融資産は倍の2000兆円もあり、その大半が預貯金として銀行に眠っている。そこで政府は個人のこの金融資産の流動性を高めようと、今回の政策変更に踏み切った。個人がもっと株を買えば、会社の企業価値も高まり設備投資にも積極的になる。
でも「個人の8割が株で損をしている!」という統計がある。確かに株で個人が儲けることなど至難のわざだ。本やネット情報などで株を購入すればたいがいの場合高値づかみとなり失敗する。株は素人が最初に購入するタイミングが一番難しい。株式投資で勝ち組になるにはかなりの時間と経験が必要だ。それに今では短期で儲けるには、機関投資家の頭脳明晰なコンピューターのプログラム売買に勝つ必要もある。
株で儲けた人、「一に死人、二に買ったことを忘れた人」という名言がある。よくある話が長期間寝込んでいた親が死んだので、証券口座を清算したら何年もほって置かれた会社の株が何倍にもなっていた。あるいは仕事が忙しくて殆ど見なかった株が、かなり値上がりしてたとか。要は株式投資で素人が成功するには、優良企業の株を長期保有することかも?
いずれにしてもこれからは増税ラッシュで税金はどんどん上がる。いっぽう年金は減額され、インフレは進行する。何もしないでいると虎の子はどんどん逃げていく。そこで政府の方針は知恵のある人は税金安くするから、勝手に自分でお金増やしなさいということである。(でも株式投資で勝つのは本当に難しい。勝田陶人舎・冨岡伸一)