茶飲み話・病気
「病気といっても本日は人の病ではなく、お金の病気について考えてみたい!」実はお金も人間の一生と同様に病気にもなるし死亡もするのです。そしてその寿命は日本円の場合は約80年位です。明治維新から始まった日本の通貨制度は超インフレになった太平洋戦争の終結とともに約80年で死滅した。そして新しい戦後の通貨制度も約80年近く経過する昨今、だいぶ老化が進み死期が近い。
私の父親は戦前そこそこ金持ちで、銀行預金があったが終戦とともに口座は封鎖され預金は消滅する。「当時もし現金を不動産に変えておけば戦後苦労せずにすんだ」とは私が子供の頃に父親から聞かされた話だ。戦前東京の都心はまだ地価が安く、当時住んでいた千代田区神田界隈でも手の届く金額であったという。でも自宅の木造三階建住居は借地権のため、空襲で家が焼けてその権利も消失した。その結果父親は殆ど無一文で市川市のしもた屋に定住することになる。
そしてこの父親の経験が私が紙幣を基本信用しない信条につながっている。ふだん我々がなんとなく無意識的に使用している一万円札。これって一体なんだと考えたことがありますか?たぶんほとんどの方はあまり考えたことがないと思う。実は一万円札は物理的には原価がたった25円の紙切れで、日本政府が一万円の価値があると保証するので、一万円で流通しているのです。
でもこの紙切れは「貴金属コイン」と違い厄介なところは、輪転機を早く回せばいくらでも刷れる点だ。国民の要望に応え、税金を安くし国家予算を増やせば当然金は足りなくなる。すると国は我々の知らぬ間に輪転機の速度をどんどん早めていく。けっか紙幣や国債が大量に出回り、万札の価値がどんどん減少する。そこで物価は際限なく上昇し、年金生活者の家計を圧迫する。
第一次大戦後のドイツでは紙幣の刷りすぎで1斤のパンを買うのに大量の紙幣が必要になった。そこで紙幣を手押し車満載にして運んだ。ハイパーインフレが進むと、午前と午後の短時間でもパンの値段は上がる。手押し車の客が店に入り値段交渉し戻ると、押してきた手押し車は盗まれたが大量の紙幣はそのまま散乱していた。(岸田さんが人気取りに3万円を各戸に配る。ケチらないで早くどんどん金を刷ってバラまいてほしい。今ならまだ万札で飲みにも行ける。勝田陶人舎・冨岡伸一)