茶飲み話・海外旅行
最近日本人が海外旅行に出かける頻度が少なくなっているという。原因は円安による旅費の高騰、地政学リスクによる治安の悪化、貯蓄率の高いシニア層の国内旅行回帰など様々だ。それに今の若い世代は相対的に保守的で冒険を好まない傾向にある。危険を伴う海外へ行くより地方の温泉宿に泊まり、のんびりと過ごしたほうがストレス解消にもなり気が楽だとか。年寄りじみた発言も目立つ。
でも海外旅行などは若い頃に限る。スーツケースひとつで日本を飛び出せば、後は気の向くまま行き当たりばったりで、新たな出会いを楽しめる。私が旅行した半世紀以上前は日本を始め東洋はまだ貧しく、欧州などで東洋人を見かけることはあまりなかった。特に中国人や韓国人は皆無で何処へ行っても日本人は奇異な視線をあびた。そして当時のヨーロッパは豊かで、貧しそうなジーンズ姿の日本人を見ても、持ち物を狙う人などいない。
特に北欧などは今の日本のように安全で、泥棒やホームレスなどは皆無で夢のような国だった。税金は高いが社会制度は充実し、ユリカゴから墓場まで全て国家が生活保証する福祉大国である。しかしそれから徐々にアフリカ大陸から、黒人やアラブ人が大量に流入してくると状況が変わる。近年では北欧も夜一人での外出は危険であると聞く。
「円安が進み160円台とは驚きだ!」こうなるとますます物価の高い海外旅行など高嶺の花となる。昼の簡単なランチセットが4,5千円では満足に食事もできない。最近一部の人がしているカップヌードル持参で旅行しても楽しくはない。それに海外ではお湯を手に入れるのも一苦労だ。ホテルなどでお湯を頼めばば、有料だしボーイにそこそこのチップを要求される。
でも昔からケチな人もいて海外に団体で出かけた時に、同室になったAさんは日本から水を入れたカップに差し込めばお湯が沸く、簡易な電熱器を持参していた。しかしコンセントの差し込み口が合わず、持参したカップヌードルは泣く泣食べずじまいであった。本人は洋食は口に合わないと言い訳していたのだが。(1ドル360円の大昔、バケットかじりながらヨーロッパを旅したあの時代に戻ったら悲しい。勝田陶人舎・冨岡伸一)