茶飲み話・国債

 

最近は昼時などのテレビをつけると、殆どのチャンネルが米価格上昇の話題で盛り上がっている。コメ価格がこれほど短期で2倍になるなど、かつてないそうで庶民生活を圧迫することは確かである。農家も肥料の高騰や人手不足などで、現在のコメ価格では採算が合わないという。米価をもっと上げないと高齢化や赤字経営では離農する人が増え、日本の食糧自給に深刻なダメージをもたらすことになる。

でも問題は現在米に焦点が当たっているが、実際には全ての商品が値上がりしている事である。政府の発表では日本の物価上昇率は3パーセントだと言うが、こんなこと誰も信じる人はいない。なにしろ米は買ったことがない裕福な二世議員が大臣をやっていたので庶民感覚とはかけ離れている。現実には年間10数パーセントはインフレしているのではと思う。このような物価上昇率で進めば数年後には多くの人が貧困層に落ちていく。

「なんか、めちゃヤバくなってきたねえ!」と大多数が感じるようになった時にはもう遅い。年金の使い勝手はドンドン減っていく。そしてある日Ⅹデーは突然やって来る。なにしろ石破首相が日本の財政は国家破綻したギリシャよりも悪いと公言しているのだ。トランプさんを批判する人は多いが、アメリカの財政赤字は日本より膨大で、このままでは日本より先に国家破綻する可能性が高いのです。他国からぶんどっても何とかしたいという努力は見上げたものである。

そしてこれらの原因は各国の紙幣や国債の乱発にある。通常、国家予算が不足すれば増税によって補う。ところが民主主義国家では増税をすると民衆の反発が強く選挙で敗北する。そのため政府は増税の代わりに、庶民に見えにくい国債の発行によって財政の不足分を補填する。そしてこれを続けることにより、気が付いたら赤字国債の額が膨大な金額に達している。そこで国が返すことが出来ない借金を埋めるためには、大増税をするか高インフレをするかの選択をする。

でも大増税など国民が受け入れるわけがないので、より簡単な高インフレで国の借金を解消する道を選ぶ。高インフレになると通貨の価値が減るが、同時に赤字国債の価値も下がる。庶民の百万円の価値が十万になれば摩訶不思議!国の千兆円の借金もたったの百兆円の価値に減額する。これからどこの主要国もこの作業を始めるので高インフレになるのです。(不景気の物価高、これをスタグフレーションと呼ぶ。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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