茶飲み話・核融合

 

「核融合とは、軽い核種同士が融合して、より重い核種になる核反応をいう」とあるが何のことやらさっぱり解らない。要は半永久的に輝き続ける太陽の仕組みを人工的に作り上げる技術だという。もし小型の太陽を地球上につくれれば、燃料は海水なので資源は無尽蔵にあり、人類は永遠にエネルギー不足から解放される。そして化石燃料を燃やして生じる二酸化炭素排出もなくなり、地球温暖化も解決されるらしい。

しかしそんな理想的な技術が簡単に手に入るわけがなく、遠い未来の事だと思われていたが最近では研究が劇的に進み、実現可能であるとにわかに注目され始めてきた。もし核融合炉が完成すれば今までのような核分裂による原子炉と違い、放射能などをいっさい出さないため福島原発のような災害も起こらなくなる。地震などの自然災害の多い我が国にとっての恩恵は計り知れない。

だがしかし先日この核融合技術を使うとゴールドを人工的に作ることが出来るという論文が発表された。いよいよヨーロッパの中世にブームとなった「錬金術」が現実のものとなるのか?注目されるところだ。そもそもゴールドは地球の創成期に惑星同士が衝突し、超高温の核融合状態になった時に生成されたらしく、その後地球が冷えると重いゴールドは中心核の方に移動したという。それが溶岩や温水に溶けてごく少量が地球の表面に運ばれる。

そこで核融合炉でプラズマ状態を継続して作り、比重の重い鉛を投入するとゴールドに変化するという。もしこの技術が将来完成すればゴールド価格は安くなるかも?しかし実際にはこのコストが膨大で、ゴールド価格を押し下げることはないという。でも百年もたてば安価にゴールドを生成できるかもしれないが、私は生きてはいないので関係ない。

最近も日々上昇し続けるゴールド価格、こんなこと今までになかったので、いよいよ世界的な金融危機や高インフレが身近に迫ってきている実感がする。最近の田中貴金属の店頭では価格高騰にも関わらず売る人が減り、買う人が圧倒的に増えている。われわれ庶民も少額で良いので金貨数枚の保有も必要であると思う昨今である。(年金族にとっては生きにくい時代になってきた。勝田陶人舎・冨岡伸一)

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