茶飲み話・疾風怒濤
毎日のように貴金属価格の上昇が続いている。まるで手から離れた風船玉のように、風に揺られフワリふわりと天高く舞い上がっていく。正直ゴールドウォッチャーとしての私も今の状況に対しては驚いている。私が米国の債務急増に対し、懸念を抱き始めたのがおよそ10年ぐらい前からであるが、その後債務はさらに膨らみ続け、もう誰の目にも明らかになってきた。
ロシアや中国などのブリックス諸国の中央銀行がゴールド買いを推進する中で価格が上昇してきたが、最近では米国や日本などのG7各国までが追随し始めている。こうなると東南アジアや中東、インドまでもが金買いに走り、そして一般庶民や機関投資家までもが先を争って金買いに奔走している。特に最近では朝起きると金価格が上昇しているので、ニンマリだが急激な価格上昇は短期的な急落を呼び込むので、これからの購入は注意を要する。
でも実際には日本政府や日本人は殆どゴールドを所有しておらず、米国債や日本円で金融資産を蓄えているので、将来大丈夫なのか不安に感じている。紙幣や国債など所詮は紙なので、国家の信用が希薄になればその価値もドンドン薄れていく。いつも言うように現在の通貨不安は100年に一度あるかないかの大きなパラダイムシフトなので、ゴールドの世界的なバブルなどと単純に考えない方が良い!
価格が暴騰したからと言って喜んでゴールドを売りに出すと価格がさらに上昇し、二度と購入できなくなるのでホゾを噛むことになる。この混乱はまだ始まったばかりで、これから数年は続くであろう。ゴールドの所有は単に金儲けのための投資ではなく、これから始まる金融危機に対する備えである。ゴールドの上昇はすなわち紙幣価値の減少なので憂慮するべきだ。
私自身は貴金属に対してはすでに出口を探しているので、今は状況をじっと見守っている。いまさら貴金属店の店頭に並び、五時間も待つほどの体力も金もないので関知しない。でも最後には疾風怒濤!嵐が来てゴールド争奪戦争は終焉していく。普通のジジババが金さん銀さんに代わるにはまだ少々の時間がある。(シルバーの大ブームが起こりそうだ!勝田陶人舎・冨岡伸一)