茶飲み話・おたからや

 

先週テレビ朝日でゴールドの全てが分かるという特番が、午後7時のゴールデンタイムに放映された。そこで普段テレビを見ない私も興味を持ち、視聴することにした。でも番組ではゴールドの物理的性質やその貴重性の紹介に終始し、そもそもなぜ今ゴールドがこれほど急騰しているのかという、肝心な事は何も触れずに終了した。でも金融に興味のない一般的な日本人も「いま何かがおかしい!」と感じ始めていると思う。

そして番組では「おたからや」という街の貴重品買取店を紹介し、今人気だという自宅までやって来る訪問買取が紹介されていた。壊れた金時計や金の差し歯まで、そこそこの金額が付くので視聴者一同ビックリしている映像を流す。このようなシーンを見れば一般的な視聴者は自宅にも何かお宝はないかと探しまわり、業者を招き言い値で売却することになる。まるで「おたからや」のコマーシャルのようだ。

過去にも金価格がグラム5千円になった時や1万円になった時にも、多くの人が自宅に眠るお宝を売却した。いつも業者は「今が高値で売り時ですよ!」と繰り返し主張してきた。ところが金価格はその時が底値で、どんどん上昇を続けている。そして庶民はあの時売らなければ良かったと後悔することになる。先週もついに金価格が3万円に到達すると、誰しもが金価格などもう上がらないのでは?と思い急いで売却に走る。

そもそも金価格の上昇は長く続いてきた基軸通貨である「米ドル」の信用崩壊に起因する。世界の貿易は基本ドルで決済されるが、各国が今ドルの通貨信用を疑い始めている。その原因は米国が財政赤字の補填にドル紙幣を刷り続けていて、紙幣が増大しているからだ。そこで一部の国では紙ではなく本物の通貨であるゴールドをよこせと主張し始めた。現在ブリックスを始め後進国の中央銀行が米国債を売却しゴールドを買い集めている。

テレビ番組に話を戻すと公共のテレビでは「ドルの信認が揺らぎ、ドルが紙くずになる恐れがあるので、ゴールドが上昇しています!」などとは決して言えない。もしこれを言ったら日米同盟がくずれ大変な問題になる。日本の立場としては最後まで米ドルは安定していますと言い続けるしかない。日本はいずれ紙屑になるアメリカ国債をたくさん持っている。でも中国のようにこれを売却し、ゴールド購入などできないのだ。(日本人の大半はまだゴールドなど殆ど持ってない。ついにゴールドが新たなトレンドになった。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

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