茶飲み話・プラチナ
「金とプラチナの指輪、貴方はどちらがお好きですか?」と女性に聞いたらプラチナと答える人の方が多いと思う?しかし外国人なら殆どの人が金と答えるだろう。特に中国人やインド人の金好きは有名で、娘が嫁ぐときには金のアクセサリーを贈る風習がある。これは金が歴史的に通貨の役割をはたし、いざという時にこれを売って生活の糧にしてきた長い伝統による。
ところが日本人は違う。これ見よがしに金のアクセサリーをジャラジャラ身に着けることは、控えめな美意識を持つ日本人には敬遠される。そこで結婚指輪にも多くの日本人がプラチナを選択するのだ。しかしプラチナは金と違い硬いので加工しにくい。その結果、現在金よりも価格の安いプラチナの指輪が高価なこともある。
しかし不思議なことに、金よりも貴重な金属であるプラチナ価格が金を下回る時代がもう10年以上も続いている。そして現在は金価格の半分の値段まで落ち込んだ。でもプラチナの産出量は金の20分の1で貴重!しかもその産地が南アフリカ1国に偏在する。その上いま南アフリカは発電所の老朽化で停電が頻繁している。鉱脈のある地下千メートルの狭い立て坑での作業は60度の高温のため、冷房設備が稼働しないと作業できない。
「プラチナは宇宙からの贈り物!」プラチナは元もと地球上に存在する物質ではない。はるか遠くの宇宙から隕石によって地球に運ばれた。そのため衝突時の衝撃で拡散し、うすい層になって地下深くに存在ししている。結果として掘り出すのが大変なのである。プラチナチケットと言えば入手困難という意味で、ゴールドより上なはず。それが現在では大きく逆転しているのです。
むかし山師と呼ばれる男がいた。あちこちの山を歩き回り砂金などを探し回るのだ。見つければ一攫千金で大金持ち、運が悪ければ沢で野垂れ死ぬ!過去の自分を振り返ると私は山師にあこがれて生きた。その気持ちは今も変わらず、数年前よりコツコツとプラチナ積み立てを続ける。いつか高騰する、いつか上がるはず!の妄想をいだくが夢は夢だからおもしろい。(季節の移ろいは速い。あっという間にまた夏茶碗の季節がやってきた。勝田陶人舎・冨岡伸一)
茶飲み話・日ユ同祖論
「古代日本とユダヤには血縁があって天皇家はユダヤ人の子孫である」。とする説が日ユ同祖論である。これは単なる噂話のたぐいの都市伝説ではなく、近年それを実証する多くの証拠が見つかっている。ユダヤのマークと言えばユダヤ国旗にも採用されている三角を上下にひっくり返し組み合わせた六角星、六芒星であるが、このマークは伊勢神宮をはじめ古い神社にも見られる。
そして皇族を象徴する十六菊花紋はイスラエルのダビデ門の中央にも描かれていて、古代この地方を治める王家の家紋でもあった。その他ユダヤの言語ヘブライ語と大和言葉には似通った単語が多数あり、カタカナもまたヘブライ文字とよく似ているという。そのほか神社や祭りの儀式、風習など数え上げたらきりがないらしい。
時は紀元前6世紀、古代ローマの侵略を受けたユダヤの民は国を追われ、いくつかのグループに分かれ離散する。これをユダヤでは「失われた10士族」というが、この一部がシルクロードを通過し、朝鮮半島を経て日本に渡来して国を治めた。これがいわゆる皇室ユダヤ起源説である。三笠宮殿下は生前「われわれはイスラエルからやって来た」と語っておられたとか。
でも私たち戦後世代は正しい日本史を学んでいない世代でもある。先の大戦で敗れた日本はアメリカに無条件降伏したために神武天皇はじめ皇紀で記された戦前の日本史が否定され、仁徳天皇以前は神話の世界へと葬られた。そのため古事記、日本書紀で書かれている真の古代日本史を学んでいない。そして天皇陛下や皇族を否定することは進歩的だと間違った教育を受けた。
ただ戦後80年も経過するとアメリカの日本文化抑圧も緩む。一方で考古学的歴史研究も進み、神話とされてきた古代日本史が再びクローズアップされている。そこで神武天皇ユダ人起源説も息を吹き返す。いまユダヤ人研究者が神道と古代ユダヤ教との共通点などを探っている。また遺伝子解析技術も進み、日本人の中にはユダヤ人のDNAを持つ人が数パーセントいるとか・・・。(信憑性はともかくロマンを感じる話でもある。勝田陶人舎・冨岡伸一)
詐欺
茶飲み話・詐欺
「最近、新たなオレオレ詐欺が起こる兆しがある!」それはAIの急速な進歩で人の音声が正確にコピーできるようになり、他人になりすまし会話することが可能となったからだ。電話で話せば音声では全く区別できないので、旦那になりすまし奥さんをだますことも出来るらしい。オレオレと言わなくても普通に話せば簡単に金の請求が可能だという。
何しろ声紋が同じなので、音声入力のセキュリティさえ突破できる。ぼーっとしていると声だけの仮想の女房に騙され、身ぐるみ剝がされることもある。でも音声さえ録音しておけば、亡くなった旦那の声に変換して会話することも出来るので、寂しがり屋の未亡人などには朗報かもしれないね。
でも実際には「せっかくヒトリになれたのに今さら旦那の声、冗談じゃない!」という奥さんが多いと思う。ある統計によると熟年夫婦に「もう一度結婚するとしたら同じ人を選びますか?」の問いに過半数の男性は「イエス」だが、女性のほとんどは「ノウ」であるという。女性の方が歴史的に長く束縛されてきたぶん、自由を求める感情は強いらしい。
ところで音声入力と言えばとりあえず今はアマゾンのアレクサだ。ベットの中から「アレクサ、おやすみ」の声掛けで電気を消してくれたり、「アレクサ、今日の予定は」で大切な用事を教えてくれたりといろいろ便利らしい。しかしオウムやインコを飼っている家は注意しないとね!彼らが勝手にアレクサにネット経由で買い物の指示を出し、覚えのない物品がピンポンと宅配されるという。
アレクサに様々な人の声に変換できる機能をつけたらどうだろう?単身赴任の時などは、奥さんの声に変換すれば気持ち休まるかもね。でも男性だって奥さんの声より、色っぽいマリリンの声の方がよいにきまってる・・・。(冗談はともかく、新手のオレオレ詐欺には注意してください。勝田陶人舎・冨岡伸一)
築地
茶飲み話・築地
ゴールデンウイークも終わり、木々の緑が増す季節になっても訪日外国人数はいっこうに減らない。いま世界を見渡すと一触即発の危険地帯が多く、女性や年配者の旅行は敬遠される。そこで安心安全が売りの我が国に旅行客が集中することになる。そのうえ円安で物価は安く、自然が豊かで観光地も豊富とくれば文句のつけようもない。
「日本の清潔なシャワートイレは最高!」と喜ぶ外国人観光客が殆どだが、同時に日本の食文化もすこぶる評判が良い。レストランでの食事やコンビニでのパックランチ、菓子類にいたるまで、値段のわりにはクオリティーが非常に高いと言う。しかしこれは基本食材の良しあしで決まり、農、漁業従事者の食材に対する徹底した管理によるところが大きいと思う。
これから未来を見つめると急激なテクノロジーによる世に中の変化は予想しがたい。だがどんなに世の中が変わろうとも生身の人間である以上、食事と排泄はついてまわる。うまい食事にきれいなトイレ!これは日々生活の根幹をなすもので人類の最重要事項だ。でも他国の人々はここに意識があまり向いてない。ジャンクフードに汚れた公衆トイレでは美しい観光地の魅力もうすれる。
最近、築地場外市場には多くの外国人旅行客が訪れている。魚河岸はすでに豊洲に移転し場外市場だけがこの場所に残ったが、銀座に近い地の利から現在では外国人の食べ歩き観光スポットになった。でも実際には食材や寿司などの飲食も別段他所より安いわけではなく、オノボリサン御用達の昭和レトロのノスタルジック・飲食テーマパークといったぐあいだ。
「日本人は本当に魚を生で食うのか?気持ち悪い!」とケゲンナ顔でよくきかれた。もう40年以上も前のこと、ヨーロッパを列車で移動していると比較的魚を喰うイタリア人も、魚の生食は考えられない様子だった。ところが今はどうだ!刺身や寿司を喰いに欧米から沢山の人達がやってくる・・・。(イタリアにはカルパッチョがあるという人がいるが、生魚のカルパッチョは日本人の発案です。勝田陶人舎・冨岡伸一)
労働
茶飲み話・労働
「人類は徐々に過酷な労働から解放されることを理想に進歩してきた」。などと書けば、まるで社会学者のようであるが今日はこれを簡単に考えてみよう。昔は労働生産性を上げようとすれば多くの人手が必要であった。そこで半強制的に人を連れてきて作業させたり、極端な場合は奴隷にその過酷な肉体労働を強いた。ところが18世紀になると蒸気機関が発明され、人は徐々に重労働から解放されていく。
そして20世紀に入ると内燃機関から電気が普及すると、各種の家電製品やコンピューターが発明され人々の日常生活を変えていく。そして21世紀にはいるとスマホが登場し、SNSにより情報革命がおきて我々の生活は格段に便利になる。その間、日本においても盆暮れだけだった休日が週休二日になり、リモートなど自宅勤務も許される時代に変わった。
「しかし問題なのはこれからだ!」今話題になっているチャットGPTの進化版が先日発表された。驚異的な学習能力を持つこのAIが普及すると、多くのオフィスワークの必要がなくなり、弁護士などの(士)のつく職業も同時に劇的に効率化され、職を失う人も続出するとの予想だ。そして単純労働は知らぬ間にロボットに代替されている。
そして労働から解放され続ける人類は「一生好きなことだけをしてればよい時代へと進んでいく」。要は全員が好むと好まざると若い時から貴族生活を送れるわけだ。朝起きてゆっくりとメイドの用意したマイセンカップのダージリンティーを啜り、今日は何をしようか?などと考え、静かに広い庭園に目を移す。あいにく小雨模様なので、白いペルシャ猫を抱き書斎の扉を押すといった具合だ。
「お金の問題?」そんな下世話のこと考える必要ありません。貨幣などはなくなり、すべてがデジタル通貨になる。とりあえず国からは毎月一定の金額が生活費としてウォレットにチャージされ、ボランティアや善行などを行えばポイントが加金・・・?この速度で時代が進むと5年後の近未来すら分からない。いったいどんな時代になるやら楽しみであり、悩ましくもある。(このさき時代は悪く言えば総失業社会、よく言えば新貴族社会に向かう。勝田陶人舎・冨岡伸一)