茶飲み話・火山噴火

先週朝起きてスマホを見ると、津波警報のアラームがヒットした。驚いてテレビをつけると太平洋沿岸全地域にウオ―ニングが表示されている。「こりゃあ、えらいこっちゃ」と画面に釘付けになって詳細に注視すると、南半球のオーストラリア右側の島国、トンガで大規模火山爆発が起こったという。あんなに遠方の火山爆発でも、日本に津波が到来するとは驚きである。それも原因は地震でなく噴火とはねえ。

津波といえば、昔小学校の社会科の教科書で習った「稲むらの火」を思い出す。江戸時代の末期、安政元年に発生した安政南海地震によって発生した大津波のお話。ある時高台に住む庄屋の五兵衛さんが海を臨むと、海岸の水が普段より大きく引いて津波の到来を察知する。そこですぐさま刈り取ったばかりの稲ワラに火をつけ半所を鳴らし火事を演出!すると消火のために多くの村人が駆け上がってきた。そのあとすぐに津波が襲来し、村人達の命が助かったという美談。

ところがこのお話は当時の日本人によって書かれたものではなく、イギリス人作家でその後日本人妻と結婚し帰化した「小泉八雲」ラフカディオ・ハーンの記述だという。教科書では確か東北の三陸沿岸での庄屋の五兵衛さんが自宅を燃やしたと記憶していたが、小泉八雲がこの話を伝え聞いて脚色し、感動的なドラマにしたてあげたらしい。なにしろ私も60年以上も前の記憶なので定かではない。

「天明の大飢饉が再来か?」話を元に戻すと、この時私の脳裏をよぎったのは、火山の大爆発により噴き上げられた火山ガスで太陽光が遮られ、気温低下による凶作である。江戸時代中期天明8年に起こった飢饉は浅間山とアイスランド火山のダブル噴火が原因だとされ、東北地方では食糧不足で人肉まで喰らったという記録もある。

過去をたどると歴史的大飢謹の原因の多くは、火山ガス噴出によるところが大きい。そこで今回の千年に一度という大規模噴火でも、飢饉が起こるのではと「スーパーに米買い出しに行くぞ!」と勇んだが、海底火山なので火山ガス噴出も少ないようで止めた。いま関東地方では富士山噴火による降灰が心配されるが、過去を遡ると本当に恐ろしいのは富士山よりも浅間山の噴火である。(先のことは全くわからない。お茶などいただき、日々のんきに暮らせれば良いのですがね。勝田陶人舎・冨岡伸一)