醤油

かって私の住む自宅の近所に、小さな醤油工場があった。前を通るといつも醤油の香りが漂い夕暮れ時には、晩食のおかずなどを想像したものだ。。

栗原醸造という名のこの醤油屋は、少し離れた場所で小売もしていてた。一升瓶に詰められたこのブランド名はキッコウシン。どこかで聞いたような名前だ。亀甲の六角の中に真の字。「なーあんだキッコウマンのパクリか?」子供ながらにもそう感じていた。

その後しばらくするとこの工場は廃業し、私の記憶からも消えていったが、醤油の瓶を見ると、ふと思い出す時がある。

ところで野田のキッコウマン醤油は、早い時期から海外に醤油を輸出していて、イタリヤのミラノでも40年前に、すでに小瓶を買うことができた。今の世界的な和食人気には、キッコウマンの果たしてきた役割は大きいといえる。

ところで最近の醤油の種類の多さには驚く。我が家でも冷蔵庫を開けると、ダシ醤油、減塩、濃い口、さしみ、など用途別に何種類もある。それに容器には酸化防止など外気に触れない工夫が施されていてびっくり。しかし注いだあとに、空気の漏れる変な音のする容器には閉口する。

たまには昔ながらの醤油注ぎに移し、小皿にさして刺身を食いたい。

“醤油” への1件の返信

  1. 先日、千葉テレビで銚子の観光案内が放映され、中で銚子電鉄と濡れ煎餅、漁港、犬吠崎灯台などが紹介されていました。そこで銚子と切っても切れない醤油のお話になります。醤油の日本三大生産地は、千葉(銚子・野田)、播州龍野、そして小豆島だそうですが、醤油の歴史については別の機会にしたいと思います。  私にとって印象的な醤油は、35年前、妻の実家(鹿児島)の卓上の地鶏のたたきに添えてあったものです。なんと甘い、お砂糖が入っているようにとても甘い。
    関東人の私の口に合うもではありませんでした。ところが最近、美味しく頂いていることには驚きです。淡白な刺身にはなかなか合うように感じています。
    最近(鮮度維持の為)の密封容器は良い点もあるが、注いだ後の「あの音」は食卓上では疑問ですね。同感です。
    我が家の卓上では、陶器かガラスの醤油さしを使いたいものです。

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