先月末、ご近所の八木さんから菊の花を頂いたが、この菊の色が変わっている。緑色なのである。奥さんが育てたということだが、こんな緑色の菊、以前にはなっかった。この色では虫もこないので、受粉できるのか?などと思案するが、たぶん今流行のバイオ技術などを、用いたものであろうか?

菊の花は食用になる。先日、NHKの海外向け放送を見ていたら、築地の料亭「田村」の主人が菊の花の料理方法の実演をしていた。まず、花弁をむしり取り熱い湯で軽く下湯でたあと、ざるに取り水を切る。さらに両手で絞るとなんと、あんな沢山投入したのにほんの少しの量になった。それをボールの中に入れ三杯酢で味付け、菊の花模様の染付けの器に美しく盛り完成。手順はざっとこのようだ。

国際番組で紹介するのであるから日本に花を食べる習慣のあることが、よほど珍しいのであろうか?たしかに海外では観賞用の花の料理など聞いたことがない。

写真の背景の掛け軸は、私の父が描いた菊の絵の日本画で、晩年の80代の作品だ。父は染色、日本刺繍、日本画などを職業とし、日展にも出品。工芸家として活躍していた。絵の菊は花弁の細く長い種類で、名前は細管と言ったか?定かではない。

伝統的な菊の絵と今の菊、並べて比較してみた。

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