ズッキーニ

いまズッキーニはどこのスーパーの野菜売り場でも普通に見かける。この野菜はイタリア料理が定着した後に、少し遅れて日本の市場に登場したわりと最近の野菜である。パスタのトマトソースをたのむとこのズッキーニが入っていることが多い。ズッキーニはイタリヤの野菜でキュウリに似た外見だが、水分が少なく食感は固めのナスのようだ。油を吸い込むので炒め物や、ズッパ(野菜スープ)に入れると旨い。ズッキーニとは二個以上のときの複数形なので、本当は単数形のズッキーノと言うべきなのに、なぜか日本ではズッキーニという複数形が定着してしまった。今もズッキーノと書いて変換ボタンを押しても変換されず、ズッキーニと入れると変換される。

「ズッキーノ!」とイタリアの子供達はよくこう叫んでいる。これは(カティーボ、ばか!)に近いことばで[バカヤロウ!」という意味の日常よく使う言葉だ。人のイメージとは面白いもので人種、民族を超えて共通しているイメージ言葉もある。日本人でも「ウリ野郎、ドテカボチャ、ボケナス」と言われたら、当然バカにされたと感じる。そのた最近使われるピーマンは頭が空っぽのことで、フィノッキオこれはセロリに似たイタリア野菜でイタリア語では同性愛者ホモの隠語だ。だいたい野菜にたとえる呼び名にはろくなものがない。人に言われて良いイメージの野菜などあるのだろか?と考えてみると大根、ゴボウ、ナス、ニンジン、白菜、キャベツ、ウドと全部だめか?

去年アメリカの大リーグで、日本から移籍したダルビッシュ投手が相手チームの選手に目じりを指でつり上げる侮辱行為を受け、問題になったことがある。これは一般的に東洋人は目がつり上がっているので、東洋人を見下す行為である。私はこの行為を一度イタリアでやられた経験がある。むかしミラノの街のバス停でバスの来るのを待っていた。すると5,6歳の女の子がわざわざ私の目の前に進み出て中指で両目じりを吊り上げた。なんだこのバカはと思ったが「ズッキーナ!」(女の子なので語尾がAの女性形)と心で罵倒し目をそむけた。遠くで親がこちらを見ていたが知らんぷりを決め込む。まさか親に支持され、わざわざ近寄ってきたとも思えないが、異人種の中にいればこんなこともたまにはある。

写真はパスタにも使える深めの皿。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎)