ブレンドコーヒー
いよいよ出入国管理法が改正になり、多くの外国人が労働者として日本に入国してくる。日本もグローバル化の波に飲み込まれることになるが、目先の人手不足解消のために簡単に外国人を受け入れることに私は反対である。人手不足を訴える多くの企業のそのほとんどがサービス業である。特にコンビニなどの物販や居酒屋などの飲食でその傾向が強い!最近これらの店に入ると必ず外国人店員がいて、覚えたての日本語で応対してくる。でも彼らが日本での生活が長くなり、定住すれば将来景気が悪くなった時に、公的医療保険や生活補助費の増大につながる。十年我慢すればAIロボットの時代になり、単純作業の人手不足も解消すると思う。
しかし良く考えてみると、ここ数十年日本の人口が増えたわけではないのに、店舗の増加ペースは変わらない。コンビニなども含めて本当にこのように多くの店舗が必要なのかと疑問に思う。昔は個人商店や百貨店も含めて人口の割りに、店数はずっと少なかった。そのため相対的に一店舗あたりの客数が多く、値幅もあり利益を上げていた。最近では客の奪い合いで、店舗造作などに金をかける割に過当競争で利益が出ない。そのためこれが営業時間の延長にもつながり、人手不足の一因にもなる・・・。人手が無かったら外国人など頼らず閉店すれば良い!過剰店舗での薄利多売の我慢比べなどいい加減にやめるべきだ。
「浅草寺界隈にある個人経営の喫茶店も、六分の一に減りました。私は店の上に住んでいて賃料も無いので続けていますが」と店主は語った。周辺のスタバなど増え続ける大手チェーンカフェが混んでいたので、路地裏で見つけた喫茶店の主人との会話だ。その路地では外国人も頻繁に通るが、入店の兆しはほとんど無い。看板に明記された一杯550円のブレンドコーヒーの値段、今の時代にしては確かに安くない。表通りのマックなら100円のワンコインである。そこは価格に敏感な人々で常に混んでいる。平成はバブル崩壊から始まり長くデフレだったので知らぬ間に皆さん低価格になれてしまった。「雑貨などの買い物はとりあえず100均に行くよ。」という人も多い。
このままでは質を追求してきた日本の伝統文化も価格破壊の名の下に、ゆとりのない三等国へと落ちていく・・・。抹茶茶碗型の植木鉢に去年植えたスズランが芽吹いた。
(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)