カンペイ

暑い盆休みも終わり、10日程わが家に滞在していた娘夫婦も家族を連れて水戸に帰っていった。そろそろ東京に転居を望む彼らは滞在中、市川市内での新居を捜すため物件を見て回る日々を過ごした。何でも今は住宅ローン金利が安いため、借家より持ち家の方が有利という。しかし高金利時代に育った私には今の住宅ローン金利1パーセント以下が、それほど長く続くとは思えないので多少の不安も感じる・・・。現在世界中で輸出に有利な自国通貨安を目論んだ金利低下誘導が続いている。アメリカも金利を2パーセントに変更したが、トランプさんはまだ不満でらしく一層の金利低下をFRBに強く要求している。でもこれ以上金利を下げると借金をして株を買うなど、会社の企業業績などを無視した過剰流動性による米国株バブルを誘発すこともある。

「えー、住宅担保証券の金利がマイナス0,5パーセントか!」先日デンマークの銀行が10年物の住宅金利をマイナスにして話題になった。「嘘でしょー、こんなこと絶対にありえない、金を借りると金利がもらえるのだ!」極論すればこの状態が長く続くと借金をし、その家に住んでいれば一銭も払わずとも自分のものになる。「そんなバカな、絶対にありえない。」と私は思うのだがどうも真実らしい・・・。バブルの前後に住宅ローンを組み、8パーセントの金利を払っていた我々の世代は大変だった。月額20万以上のローンを返却すれど、元本の減少は微々たるもの。結局積み立てていた退職金を取り崩し元本返済に充当し、事なきを得た。でも苦労して手に入れた我が家の地価も当時と比べると、今では4割程度である。

ところで今中国では不動産バブルが大変なことになっているらしい。各都市で建てられた多くの高層マンションが投機資金で値上がりし、庶民には全く手に届かないレベルにまで高騰しているという。居住用としての買い手のないマンションは人の住まない事が常態化しゴーストタウンになっている。共産主義でありながら貧富の差は激しく、億からするこれらの高級マンションを庶民はただ遠くから眺めるだけだ。でもこれらマンションが叩き売られると、バブル崩壊で負の連鎖が始まり、いっきに中国経済は金融危機になる。そのため定額以下での不動産売買を事実上禁止しているという。「株もそうだ!」これだけの問題を抱えている中国株が暴落しない。

「今日は何の用件だ!」証券会社の入り口に立つ警官に聞かれるという。「株を売りにきた」と答えると追い返されるらしい・・・。(今宵は紹興酒で中国にカンペイか?勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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