茶飲み話・学習塾
中国では先日の習近平共産党による突然の学習塾廃止により、大混乱がおきている。「中国共産党は本当に怖い!」国家主席の一言で何の前触れもなく突然に法律が変わる。学歴社会の中国では一流大学を卒業しないと良い就職口がなく、そのため親達は子供に学習能力の向上を期待し、高額な塾代を支払い続けてきた。そしてそれが家計の負担となり、少子化の一因となっていると共産党は結論づけた。
でも一説によるとそのために一千万人もの教育従事者が失業するという。これでは塾経営者もたまったものではない。そのうえ前払いした月謝の返金も親達から求められ、姿をくらます人が続出しているらしい。返金を求めるために塾に向かうと、硬く閉ざされた入り口には「党の方針を支持します」という張り紙があるという。でも実際には一瞬にして生活の糧を奪われた経営者の気持ちは、怒りに満ちた涙目どころではないと思う。
しかし賢い親はすでにその先を見て行動する。次は本屋から教材が消えるのでは・・・?という連想がはたらき、わが子が将来使用する教材までを買いに走る。そしてネットで家庭教師をつのり、この窮状をうまく切り抜ける。大半の子供がユトリ教育で学習がおろそかになれば、自分の子には有利になるという発想もなりたつ。すると次は優秀な家庭教師の奪い合いになり、教育にはより金がかかるようになるかも?
「うちのテレビなんか調子悪いのよね」と面談に来た親に教師が告げる。すると数日後に新しいテレビが教師宅に届くという。中国の学校ではこのような賄賂が横行している。賄賂を渡さなければ通知表にひびくので、率先して付け届けをする親が多いらしい。
私が小学生の頃は、戦後日本でも担任の先生があからさまに「ヒイキ」という言葉のもとに生徒を差別をしていた。PTAの役員の父兄などは盆暮れには先生に付け届けをしていたようで、明らかに優遇されてる子供もいた。まだ世の中全般もご祝儀、心づけ、袖の下、歳暮、寸志、接待などの行為も盛んでそれによる差別もあった・・・。ところが現代ではこれらの行為の殆んどが縮小し、デパートの贈答品売り場も以前ほど活気がない。(勝田陶人舎・冨岡伸一)