「ああー、踊り踊るなあら、ちょいと東京お音頭、よいよい・・・」。今年も日本の暑い夏、お盆がやって来た。お盆と言えばやはり日本の津々浦々で開催される盆踊りである。我が町内でも先日8月10日に毎年恒例の盆踊り大会が行われた。かすかに聞こえる太鼓の音はこの季節、冷房の効いた部屋で閉じこもりがちな住民達の心に届き盆踊りへと誘う。
ところがこの盆踊りも知らぬ間に時流に乗り刻々変化をとげている。特に若者や外国人の集まる渋谷や新宿を始め都心では盆踊りが盆ダンスに変わり、テンポの速い荻野目洋子のダンシングヒーローや、最近の流行り歌などに合わせて踊るダンスに変貌。確かにこれなら熟年者と子供に偏りがちな盆踊りもすべての世代が楽しめる。でも伝統的な東京音頭や炭坑節なども忘れないでほしい。
「神田明神アニソン盆踊り」というイベントが先日開催された。「アニソンって何だ。流行りのKポップか?」の疑問にネット検索すると、アニソンとはアニメソングの略語だという。アニソン盆踊りは通常の盆踊りとは全く別物で、中心に置かれたヤグラを取り囲み、皆で中央に向かい簡単な振りで盛り上がる。要はコンサートライブの盆踊り版である。
湿気が多く気温が高い日本の夏は欧米人にとっては確かに地獄だ。色の白い人たちは相対的に皮膚の汗腺が少なく、高温多湿の日本の夏は体温調節がうまくできない。そこでエアコンの無い明治時代に日本にやって来た欧米人が、涼を求め開発したのが避暑地軽井沢である。でも現在では殆どすべての住宅や施設でエアコンがきいているので、以前ほど避暑地に出かける必然性も減った。
逆に現在は温暖化の影響で欧米の夏も暑い。でも日本ほどエアコンが普及していないので生活しにくいという声もあがる。それならいっそエアコンの効いた日本に行こうとなる。「日本には素敵な花火大会や、楽しい盆踊りもあるでよう!」伝統文化の花咲く日本は観光資源も満載である。そして欧米人が多く住みつけば中国からの侵略の抑止力にもなるかも。(暑い夏は楽しい日本にイラッシャイ!勝田陶人舎・冨岡伸一)