茶飲み話・円高
つい先日までこれから円安が進み1ドル200円になると騒いでいた経済アナリストたちが一晩で手のひら返し、今度は急激に円高が進み1ドル120円になると騒いでいる。そして実際に先週日銀の植田さんが短期金利を0,25パーセント上げると発表すると、円高が進み1ドル146円になった。そして今後も徐々に金利を上げる方向で考えていると言っているので、来年には120円の円高になる可能性もあるらしい?
「なんだよ、日本は少子高齢化で経済が衰退し、200円の円安になるのではなかったのか?」そして円安による物価高で年金生活が脅かされると警戒していたのだが!しかし直近では日本はインフレではなく再びデフレに戻るという意見も出始め、私自身も大そう混乱している。もし再び120円の円高になれば虎の子の配分を多少見直さなければならない。
ここ数年の円高は日本の短期金利がゼロでアメリカの金利が4,5パーセントであったので、金利の高い米ドルへ資金が流れ円安になった。しかし今後は米国の金利が下がり、日本の金利が上がるので、日米の金利差が縮小し米国に向かった資金が日本に回帰して再び円高に戻るという。でもたった1週間で180度ドテンするとその対応も難しい。
次にもし円高に進むとゴールドの価格はどうなるのか少し考えてみる。持っていても金利のつかないゴールドはアメリカの金利が上がると値下がりし、金利が下がると上昇する傾向がある。そのため今後はドル建てのゴールド価格は上昇するが、円建てのゴールドは円高で為替差損が生じ、横ばいまたは下落傾向に進む可能性もある。
でもこれはあくまでも数年の短期的目線であり、各国が財政赤字の補填でお金を増刷している現状では、長期的には貴金属は上昇していくと思っている。30年間ゴールドをウオッチしてきた身としてはこのような状況は過去にも何度もあった。そしてこのタイミングでゴールドを売却して、いつも後で後悔することになる。(果報は寝て待て、明日のことは誰にも分からない。勝田陶人舎・冨岡伸一)