茶飲み話・貴金属
いま世界的に通貨の信認が揺らぐなか、再びゴールドが注目されている。しかし最近の急激な円高で日本での金価格は下落した。原油や貴金属を始めすべてのコモディティーは通常ドルで取引されているため、日本では円高になると価格が下落し、円安になると上昇する。そのためゴールドも円安になれば儲かるわけだ。日本での最近の金価格上昇は円安に大きく振れたことが主な原因でもある。
でも基軸通貨であるはずの米ドルが、通貨発行量の爆増で信認が揺らぎ始めている。これはコロナ下で政府が国民の生活支援で、お金を大量にばらまいた結果招いた現象である。増刷によるドル価値の減少は対局にあるゴールド価格を押し上げ、上昇をるづける金価格がさらに上昇させる事になりそうだ。今でも充分に高いゴールドを買うのも躊躇するが、ゴールドが下落する要因が見つからない。
いっぽうゴールドより貴重な金属であるプラチナ価格は、もう何年も現状維持で推移し一向に上がる気配をみせていない。10年以上前までは金価格よりも高額であったプラチナは昨年までは金価格の半値で推移した。ところが最近のゴールド上昇により、3分の1まで値差が広がる状況も見えている。そして鉱山会社もいくら掘っても経費がかさむだけで儲からないと悲鳴を上げる。
一層のこと採掘を止めれば価格が上昇するが、今は各鉱山会社が我慢比べをする。皆で協力し3割カットとか生産調整を行えば価格が上昇すると思うのだが・・・?金と違いプラチナ鉱山は殆どが南アフリカに一極集中し、各鉱山は隣近所なので談合などは簡単なはずだが、お互いに相手が倒産するのをまっている。でも鉱山会社は過去に儲かったので資金は潤沢!なかなか倒産しない。
そしていまゴールドに比べ、プラチナやシルバーの価格低迷は中国の不景気によるところが大きい。ゴールドと比べ工業品材料として使用される比率の高いこれらの貴金属は世界景気に左右される。それにこれからは米景気も低迷する可能性もある。しかし現在は金と比べ価格が極端に安いので、魅力的なのもたしかだ!(積み金を始めた25年前、金価格は低迷し、見向きもされなかった。それが今では13倍!勝田陶人舎・冨岡伸一)