先日ついに金価格が1グラム2万円になったというニュースが流れた。でもこれはまだ序章にすぎない。今後は3万、4万と上昇していくだろう。現在は金価格が下落する要因が殆ど見つからないのだ。金価格を押し上げていく要因は主に3つある。中東、イスラエルなどの地政学リスク、各国の中央銀行による金の買い占め、それと米国の基軸通貨ドルの崩壊懸念などだ。そしてこれらの要因による高インフレの進行である。
かねてより私は老後資金の一部を貴金属で持つことを推奨してきたが、これは当時から日本銀行が財政補填のために、このまま赤字国債を刷り続けるといつか高インフレになると予測していたからである。インフレは年金族など毎月一定額の収入しかない高齢者の家計を直撃する。現役世代はまだ給料が物価にスライドしていくが、年金は基本物価スライド制ではない。20万円の月額は毎年目減りしていき、生活レベルはどんどん低下していく。
この10月も多くの生活必需品が値上がりした。そして今後インフレはますます進んでいく。でも対策が無いわけではない。インフレ以上に値上がりする貴金属を保有すればよいのだ。それもいつでも簡単に換金できるコインや20グラムの以下の地金が良いと思う。ゴールドは高くて手が届かなくなってきたが、シルバーやプラチナは現在急騰しているが、まだ安価なので手が出しやすい。
いま世界的に貴金属の争奪戦が起きていて、貴金属が不足してきている。田中貴金属などの地金商では毎朝長蛇の列で小さな地金などは入荷がストップしている。でもまだ一般の人は気が付き始めたばかりでパニックはこれから起きる。ゴールドの数量などオリンピックプールのたった3倍分でごく僅かなのだ。これを世界中の人で取り合えば結果は見えている。ちなみにプラチナは一つのプールに足首が浸かる程度しかない。
今はお金とは何か?が問われている時代である。喜んで受け取っていた一万円札もドンドン印刷され枚数が増えれば、そのぶん価値が減っていく・・・。時代をよく観察し、ゆとりのある老後を送ってほしい。年取ってお金が減り続ける恐怖心など絶対味わいたくない。(備えあれば患いなし!ゆったりとした気持ちで、お抹茶を頂きたいものである。勝田陶人舎・冨岡伸一)
