トランプ大統領が焦ってウクライナ戦争の停戦を画策すれどプーチンが合意せず、一向に和平交渉が進まない。このままでは戦争は泥沼化し、トランプさんのノーベル平和賞受賞も遠のくばかりだ。いま世界はBRICS諸国と西側先進国の分断は深まり、ますます緊張感が高まっている。このままでは世界平和など絵空事で、第三次世界大戦の勃発の可能性も噂されている。そしてわが国も長年政権をになった自民党が形骸化し、政治的混乱が続いている。
いっぽうで日経平均や金、銀価格は連日のように上昇し、インフレの進行がはっきりと認識できるようになってきた。このような時代、たとえ年金族といえど政治経済に無関心でいると平穏な老後生活に支障をきたすので気を付けよう。特に殆ど金利のつかない銀行預金などは実質的価値が毎年目減りするので、自身で対策を立てる必要はある。しかし間違っても銀行や証券会社の窓口では相談しない事である。彼らに有利な手数料の高い投信などを薦められるだけだ。
最近私は手の届かななくなったゴールドに代わり、まだ割安なシルバーに注目している。貧乏人の金と言われるシルバーは太陽光パネルや電気自動車、エレクトロニクス分野で需要が拡大し、現物不足の状態が続いている。ゴールドは1グラム1万9千円もするがシルバーはたったの220円である。これならば庶民にも手が届くので、銀貨を集めるのも悪くない。
先日タンスを整理していると半世紀前の欧米のコインが出てきた。若い頃ヨーロッパを旅した時の遺物である。今のコインは殆どはニッケルだが、昔のコインには銀製の物もある。銀とニッケルの識別は磁石を近づければ分かる。ニッケルは磁石に吸い付くが、付かなければ銀の可能が高い。現在はすでにシルバーのインゴットは品薄で購入が難しい。でも銀貨なら殆どが数千円で買えるので、コレクションとして集めてみるのも面白い。
紙幣と違い銀貨はインフレに強い。一万円札の原価が20円なので、もし国の信用が失墜すれば紙くず同然になる。しかし銀貨はいつの時代も一定量以上のお米が買えて、決してその価値が毀損することはない。幕末の一分銀は約9グラムで現在の銀価格では1800円、ところが実際には8000円位の価値があるのだ・・・。(いよいよインフレの進行と貴金属の高騰には目が離せなくなってきた。勝田陶人舎・冨岡伸一)