私はイクラ好きで鮨屋に行くと必ず注文する。すると海苔で軍艦巻きにされたあの握りが目の前に置かれる。しばしその美しいオレンジ色の粒に見とれゆっくりと口に運ぶ。特にシーズンに出される、まん丸な生の醤油漬けのイクラは最高だ・・・。だがこの軍艦巻きという握り、子供の頃は見たことが無かった。いつ頃だれが最初に考えた出したのか調べて見たら、余り定かではないが1941年に銀座の鮨屋(久兵衛)か始めてそれが徐々に広まったとか?しかし考えて見ると、この軍艦巻きの手法は画期的な発明だ!これにより軍艦にすれば何でも寿司ネタになる。「ええ、こんな物も寿司になるのか?」いま回転寿司に行くとこの軍艦で巻かれた、驚きの寿司ネタの握りが目の前を通過する。
イクラとはロシア語で魚卵の意味だそうだ。ロシアではイクラを塩漬けにしてキャビアのようにパンに乗せて食べる。もう50年ほど前アエロフロート(ロシア航空)に乗った時に、太っちょのオバサンスチュワーデス(当時のソ連ではスチュワーデスは国家公務員で普通のオバサン)が運んできた機内食のランチプレートの中にイクラも入っていた。英語でレッドキャビアと呼んでいたイクラはパンに乗せて食べる。でもイクラのオープンサンドは余りいただけない!やはりイクラはパンでなく、ご飯が旨いと思った・・・。カナダでは以前イクラは食べずに内臓と一緒に全部捨てていた、という記事を読んだことがある。でも今では日本に輸出するそうだ。
最近サーモンはノルエーサーモン、チリサーモンなど色々な国からやってくる。でも元来サーモンは日本からロシア、カナダにかけてのベーリング海域にしかいないはずだ。これは地理的な問題で湾のように封鎖されていないと、鮭が海流に乗ったまま生まれた川に戻ってこられないという。だからノルエーやチリでは稚魚を放流しても、鮭が迷子になりタマゴを産めずにやがて死んでしまうという。そのため狭い生簀で鮭を養殖する!また餌には魚のクズや抗生物質、生でも食べられるように寄生虫を殺す殺虫剤などを投与され、危険な有害食品だと問題になった。あんな回転寿司で見る脂の乗った、白いトロサーモンなどは自然にはありえないそうで、食べるのを躊躇する。
今日は表題とは別に最近作った抹茶茶碗を掲載する。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)