茶飲み話・年金減額
「年金生活者への五千円給付案見送り!」。夏の参院選を控え自民党が集票ために、模索していた高齢者への現金給付がとりあえず白紙となった。新年度の四月から0、4パーセントほど減額される公的年金への穴埋めとして議論されたが、高齢者優遇との批判もあり再検討されることになった。現在年金支給は物価上昇率を参考に決められる。そこでデフレであった昨年度は、物価が0,2パーセント減のため、減額されるらしい。
でもさいさん私も書いているように、今年度は大幅なインフレに見舞われる可能性が高い。それなのに昨年の指数を参考に年金を減額したら、強烈な物価上昇とのダブルパンチになる。5千円などとケチクサイこと言わずに、10万位配って欲しい。紙幣など日銀が輪転機回せばいくらでも刷れる。どうせわが国の財政はすでに破綻している。
「中、高年になって後進国から若い嫁さんもらうと大変なようだ!」よほど稼ぎが良くないと死ぬまで貧乏な生活をおくる。現在日本は年金制度が確立していて、これでも高齢者は基本国が面倒を見る。ところが東南アジアや中国では、まだ年金制度が充実していない。すると老後の生活は子供達が面倒見る事になる。そこで親孝行な娘は日本人亭主から金を巻き上げ、せっせと親元に送金し生活を支える。
しかしその日本でも国民年金制度が確立されたのは昭和36年からである。それまでは農家や自営業者には年金など存在しなかった。そのため親の面倒は通常長男が受け持つことが決まっていたのだ。姉三人の末っ子長男として生まれた私も年少の頃から、親の面倒をみる跡取り息子として育てられた。そこで「冨岡君も良いけど小姑3人、親と同居じゃね!」と敬遠された。
昭和の中頃までは日本でもまだ古い慣習にとらわれていたので、長男は通常親が決めた女性と「お見合い」などで相手を決めることも多かった。今の若い人には考えられないが、日本人が自由恋愛で結婚相手を決めるなど、つい最近のことである。年金制度のおかげで長男は家の縛りから開放されたので、多少の減額は我慢するべきか?(劇的な離婚率の増加は花火のように燃え上がって消える、恋愛結婚が原因ですよ、たぶん。勝田陶人舎・冨岡伸一)
為替
茶飲み話・為替
「なに、1ドル123円だと、これはえらいこっちゃだ!」最近の急速な円安の進行にはビックリする。この主な原因はアメリカ金利上昇にある。FRBのパウエル議長がこれから1年後の米国公定歩合を2.5パーセントに段階的に上げていくと発表した。しかし日本の公定歩合は0パーセントなので、すでに金利上昇しているアメリカ国債を購入すれば2パーセント以上の金利がゲットできる。
すると当然米国債を買おうと日本の銀行や資産家の金がアメリカに流れていく。そして米国債を買うにはとりあえず、円を売ってドルを買う必要があるので円安になる。まずいことに一度この流れが始まると、我も我もと企業や一般庶民までもが米国に資金を移す。すると円安が進行し円を持っていると目減りするので、ますます円安は加速していくのだ.。こうして130、140と進んでいくかも?
円安の急速な進行は輸入物価を引き上げ、激しい物価高を招くので日銀は日本の金利も上昇させようとする。しかし哀しいことに日本は金利を上げることが殆んどできない。理由は1200兆円にも膨れ上がった赤字国債にある。現在の0パーセントの金利を1パーセントに上げただけで、12兆円もの利払いが発生する。日本の国家予算は105兆円なので、実際には97兆円しか使えなくなる。(でも赤字国債の多くは日銀自身が握っているので、例えばの話である)
「結構大変な事態ですよ、みなさん」あなたがもし老後資金2千万も銀行預金で持っていたとしても、1年前からすると円安で実際にはすでに16パーセント320万円も目減りしているのです。円安の進行は日々ゆったりと過ごす、年金生活者の日常をこれから脅かし始めます。これに対し経済音痴の岸田政権は何も出来ずにただ傍観している。ですから個々人で資産防衛するしかないです。
対策としてはドル預金をもつ、米国債を買う、金などの貴金属に投資(貴金属はドル建てなので円安になると通常上昇する)米国株やETFに投資する。などいくつかの方法があるが、突然円高に大きく戻ることもあるので危険も伴なう。でも基本日本の国力は少子化で弱まっていくので、長期的には円安方向ではないにか?(長かったデフレとも、そろそろお別れですかね。勝田陶人舎・冨岡伸一)
肥料
茶飲み話・肥料
ウクライナとロシアの戦闘がいつ収束するのか、現在では全く予測できない状況である。明日かも知れないし、数ヶ月先になるかもしれない。しかしここで困ったことがある。それは春を向かえ、世界有数の穀倉地帯でもあるこの地域で種まきが出来ないと、小麦などの穀物が供給不足になる。現地では戦争によりインフラは破壊され、農業従事者も戦闘に巻き込まれている。
またロシアは現在主要な肥料生産国でもある。そしてその多くが輸出に回されるのでロシアからの供給が止まると、世界中の国々への農業に対する影響は大きい。もちろん日本も例外でなく、肥料不足による反収減少はエネルギー問題と重なり、まさに高インフレに導くダブルパンチである。ウクライナ問題をきっかけに日本も長かったデフレも終わり、物価高に悩まされる新たなフェーズに入っていくだろう。
「日本のトイレって、どこも感動的に綺麗!」とは来日する外国人がだれでも口にする言葉である。ここ二十年で日本のトイレは劇的に変わった。それは市町村単位での下水道の整備とともに進んできた歴史がある。私が幼児の頃は近隣の農家が堆肥を作るため、木桶をリヤカーに乗せトイレの汚物を集めにやって来た。農家ではそれを肥溜めに移し、数ヶ月寝かしてから肥料として畑にまいていた。これは究極の循環型農業であったが、生野菜は食べられなかった。
その後日本でも化学肥料が普及し始める。すると汚物の集配は農家から行政の仕事に変わって行く。そして新たなバキュームカーの登場により手作業の集配は消えた。また近年では下水インフラが整備され、バキュームカーすら見ることもない。肥料不足などと聞くと、たかだか65年前の状況を思い出す。
とこれで私は知らなかったが、窒素、リン酸、カリなどの化学肥料は今では天然ガスなどから生産するらしい。ガスという気体から、どのようにして粉末である化学肥料に変えるのかは知らないが、ロシアによる天然ガスの供給停止は意外なところに影響を及ぼすようである・・・。(写真・春になり盆栽の苔が美しいので掲載。戦争による物価高には注意です。勝田陶人舎・冨岡伸一)
ユニクロ
茶飲み話・ユニクロ
私の生家は神田に居を構え、江戸時代より三代続く和服に日本刺繍を意匠することで生計を営んでいた。おもに日本橋三越の呉服誂え方に所属し、帯や着物に針を刺す。そのため幼児の頃より自宅の畳間には反物が広がり、それらを眺めて育ったので当然衣類には関心を寄せた。そのためそれらの環境が二十歳を過ぎた後に、導かれるようにファッション業界に進んだ縁に繋がったと思う。
「外柔内硬(がいじゅうないこう)だぞ!」と父親にはよく言われた。人には色々生き方のスタイルがあるそうだ。外見はカッコつけのチャラ男、しかし内面はしっかりポリーシーを持ち硬派。それが親父の生きる美学らしかった。ところが高校生の私はバン、ジュンでかっこつけのオバカ。見かねた父親は「本代ならいくらでも出す、徹底的に本を読め」の一言だった。
そんな私も最近では衣類へのこだわりもなくなり、もっぱらユニクロでユニラーしている。でもこのユニクロ、いま欧米各国から猛烈なバッシングを受けている。ウクライナの問題で世界中の企業がロシアからの撤退声明をしている最中、ユニクロは商売を優先し態度を曖昧にした。前年には中国のウィグルの人権弾圧でも共産党擁護の姿勢を取り、フランスの人権団体から訴訟を受けている。
「政経分離で政治と経済は関係ない」と団塊世代のユニクロ・ワンマン社長は今だに考えているらしい。いまグローバル企業の経営は難しくなった。常に世界中人々から環境への対応や人権に関する企業倫理の目が光る。対応を誤るとすぐに商品ボイコットや訴訟へとつながり、ブランドイメージが失墜する。カリスマ経営者とたたえられた独善的な柳井さんのユニクロも、そろそろオワコンか?
今後独裁国家中国が欧米からの規制対象となったとき、売り上げの半分近くを中国で稼ぐユニクロはどう対応するのであろうか?時代を見誤れば、つい先ごろまでは絶好調であったユニクロとて、一世風靡だったダイエーのように没落することもある。企業も国家もドンが人の意見を無視し独裁者になった時、その体制は瓦解していく。(祇園精舎の鐘の音・・・。奢れる者久しからず。ただ春の夜の夢の如し・・・。写真・底の割れた茶碗を植木鉢に。勝田陶人舎・冨岡伸一)
ルーブル
茶飲み話・ルーブル
「はやく車を買わないと、お金が紙くずになる」とばかりに、ロシアの極東に住む日本人とロシア人夫妻はぬかるんだ雪道を飛ばし、日本車販売店へと車を走らせた。その数日前ロシアがウクライナに侵攻すると、海外との資金移動が出来なくなりロシア通貨ルーブルが日々急落し始める。お金の価値が時々刻々減少するので、手持ちの現金をとりあえず価値のある貴金属や新車購入で守ろうと、夫妻は血相を変えた。
そして代理店に到着すると、すでに残り少なくなった在庫の車を急いで見て回る。迷っている時間はない!明日になれば在庫がなくなるか、価格が上がるかも知れないのだ。結局即決でこの夫妻は340万ルーブルを支払い、スバル・フォレスターを購入して深く安堵の息をついた。いまロシアではインフレ進行で大変なことになってます。
「ヤバイことは今日本でも起きはいじめている」通常このような経済的混乱がどこかの国で発生すると、以前なら必ず日本円が買われ、為替が大きく円高に動いた。それが今回は殆んど反応しない。それどころかむしろ118円の円安に向かっているのだ。殆んどの人は為替など関心がないが、これって我々の知らぬ間に日本の国力が落ちている証拠なのです。
日本は食糧や原材料費の多くを輸入に頼ってる。数年前までは原油価格などが上がると、必ず大きく円高にふれたので原油価格の高騰を相殺できた。しかし今回のように一次産品の価格が上がり、なおかつ円安に振れるといっそうわが国の物価高騰を招く恐れがある。そして案の定ここ数ヶ月貿易収支は大きく赤字になった。対岸の火事とばかりにのんびり年金暮らしなどしていると、ある日突然日本でも経済的混乱がおきる可能性もある。
「伸ちゃん見てみな、これで一週間ご飯が食べられるよ!」と満面笑顔のオフクロが促がす。まだ私が幼児の頃、闇ルートで手に入れた高額のキラキラ輝く銀シャリが、ブリキ製の米びつに半分ほど満たされていた。この日本でも70年前はハイパーインフレにより紙幣の価値がなくなり、一週間の食いぶちで喜んでいた戦後もあった。今後インフレが過度に上昇すると、昇給のない我々年金族が最も打撃を受ける。(ウクライナから端を発したインフレ、これから年金族の家計を圧迫する。勝田陶人舎・冨岡伸一)