茶飲み話・ウクライナ

テレビをつけると毎日ウクライナの惨状が伝えられ、暗い気持ちになる今日このごろである。何の罪もない市民がロシア軍の爆撃を受け住居をおわれ、多数死んでいる。でもこの戦争、ロシアがなんのためにこれだけの犠牲を払って行なっているのかが、いまいち明確でない。プーチンは最初、一週間もあればウクライナ全土を簡単に攻略できると考えていたようだ。

ところがドッコイ、そう簡単には事が運ばなかった。ウクライナ市民の頑強な抵抗にあい泥沼化する。こうなると数年単位で長引く可能性もある。初期段階では頻繁に停戦交渉が行なわれたが、最近では殆んど開催されない。すると困るのはウクライナ市民と、その影響により高騰する食料などが買えずに飢える、世界中の貧困層である。

でもテレビや新聞などで伝えられるニュースの殆んどはCNNなど欧米系メディアからの情報である。なので必ずしも全ての情報が真実であるとは限らない。日本人の大半はNHKなどマスコミ報道は正義を伝える機関であると認識し、疑うことなどしない。戦前日本も大本営発表などは殆んどが虚偽情報であったように、いつの時代も戦争の当事国は自分に都合の良い情報を流す。そのため正義の味方ゼレンスキーの発言も多少疑う必要もある。

「戦争は一部の人に多くの富をもたらす!」いまウクライナ戦争の影で大もうけをしている人達がいるのだ。具体的には穀物の値上がりによる米国農業従事者やカーギルなどの穀物商社。原油、ガスなどを掘削する最近まで大赤字であった米国シェール会社や石油メジャー。それにロッキードやグラマンなど戦闘機会社や米国巨大軍事産業など、など。

どうですか!このように書けば今度の戦争では悲惨な当事国市民をよそに、武器をたくさん売りまくって稼ぐ、アメリカひとり勝ち構図が見えてくるでしょう。そうです。巨大な財界圧力団体によって当選したバイデン大統領の心中は、綺麗ごとは言うが戦争の長期化を望んでいるのです。ここで古い武器をすべて売りつくし、在庫一掃バーゲンセール!(風が吹けば桶屋がもうかる。砲火が吹けばアメリカがもうかる。ロシアは恐ろしいがアメリカとて。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

 

茶飲み話・銀歯

「銀歯素材8パーセント値上げ」という朝刊記事が目に留まる。厚労省は歯科の銀歯治療で使用するパラジウム合金について5月から値上げするらしい。原因はロシアに対する経済制裁でパラジウムが輸入できなくなり、市場価格が高騰しているからだという。パラジウムは全生産量の4割近くがロシアなのでウクライナ戦争が長引くと影響は大きい。

私が子供の頃は銀歯素材のパラジウムは安価でサンプラといい、これが金歯でなく口元からチラリと覗くと貧乏人とバカにされたもんだ。それが今や金よりも高額で保険適用もされているので、国の医療費負担も大変だという。では金も同様に保険適用すれば、リッチ感のある金歯を入れる人も多くなるのではないか?

昔はこれ見よがしに前歯に高額な金歯を入れる人もいて、まるでパクパクくちを開く獅子舞の獅子のようだと陰口をたたかれた。そういう私も親掛かりの頃の歯科治療はすべて金をつめた。それが自活するようになると金歯は高いのでパラジウムに変わる。かつてイギリスでは医療保険制度が確立すると金歯も無料なので丈夫な歯まで抜いて、後で後悔する事になる金歯にする人が続出した。

「この子は成長したら花王石鹸のお月様マークのような、顎のしゃくれた顔になりますよ!」と突然断言された。それは私が小学4年生の時である。父親が結核を患い東京歯科大学市川病院に入院していた関係で、虫歯になった私はそこで治療を受けることになった。ところが虫歯治療など差し置いて数名の医者がドヤドヤ集まってきた。そして大学教授らしき先生が「これはまずいね!」の一言。

さっそく待合室にいた母親が呼ばれ、説明をうける。私は先天的に前歯のかみ合わせが悪く下の歯が上の歯より前に出る「受け口」というのだ。とりあえず割り箸など噛み上の歯を前に出す試みをすれど、いっこうに直らない。成長期前に直さねば、アントニオ猪木のような顔になるということで、まだ珍しかった高額な矯正治療を2年間うけることになった。親に感謝である・・・。(写真・先日姉が所有していた親父の遺作が我が家に戻る。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

茶飲み話・クレーマー・クレーマー

近年日本人の離婚率は急増しており、およそ三組に一組は離婚するという。原因は男性の浮気、DVやギャンブル癖での生活力の欠如、女性の経済的自立や忍耐力の低下、社会的偏見の希薄、シングルマザーに対する公的支援、など様々ある。しかし私は、その主因は戦後劇的に増加した恋愛結婚にあるのではないかと思う。

恋愛で結婚すれば最初はアバタもエクボでウキウキ、しかしじきにアバタはアバタへと戻る。そして時が経つとアバタがオデキの嫌悪感!するともう我慢ならず離婚する。ところが見合結婚ならお互い条件で選ぶので、こんな錯覚は生じない。そして長く共に生活すれば情も湧いてくることが多い。そこで昔は恋愛と結婚は全く別物という考えが主流であったのだ。事実私の親世代は殆んどが見合いで結婚した。

若い頃に見たクレーマー・クレーマーというダスティン・ホフマン主演の離婚をテーマにしたアメリカ映画は衝撃的であった。この映画は1980年に公開されたが、封切られた当時日本はまだ離婚などまれで、非現実的なことと捕らえられていたのだ。一方アメリカでは一足先に離婚が急増し、社会問題にもなっていた。ある日妻からつきつきられた離縁状、そして妻は子供を残し家を出る。そこで主人公は子供の養育と仕事で悪戦苦闘するという筋書きだ。

「どうせ離婚するならアッパレ離婚というのはどうでしょう!」女性にとって理想的な結婚があるなら、また理想的な離婚というのもあるはずだ。例えばむかし伴淳三郎という俳優がいたが、彼は離婚のたびに家や財産をそっくり妻に残し、裸一貫家を出て行った。これなら殆んどの妻はアッパレだと喜び離縁状に判を押す。最近では北野タケシがこのアッパレ離婚にあたると思う。

今チマタには生活困窮のシングルマザーが溢れている。給料の少ない元旦那からは養育費すらもらえず、独り子育てに奔走する。あげくの果てキャバクラ勤めで知り合った、プータロウと寂しさのあまり安アパートに同居。すると可哀そうなのは邪魔になる連れ子である・・・。(70年ほどの人生を振り返ると、見合いで結ばれた時代のほうが、家庭は穏やかであったような気がするのだが?勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

茶飲み話・団十郎

市川海老蔵、今夏の団十郎襲名延期!というニュースをみた。最近週刊誌やネットでなにかとお騒がせな、海老蔵が歌舞伎界最高位の名跡である団十郎を襲名するらしい。歌舞伎に特別興味があるわけではないので、どうでも良い話だが団十郎だけはそれなりの人格者が継承しないと、日本の伝統的古典芸能を汚す恐れがある。

「俺はお前らと違って、将来は人間国宝になる男だ。控えろ下郎ども!」と若き海老蔵は傍若無人にふるまった。これに怒った関東連合を名乗るチンピラ集団にボッコられて、大怪我をおわされた例の六本木クラブ事件もまだ記憶に新しい。あの事件で新婚ホヤホヤだった小林麻央さんは、ストレスで乳癌を患ったが海老蔵が心酔する詐欺師のいかさま療法を受け、幼子を残して他界した。

そして妹の子の世話に通ってきた姉の小林麻耶さんにも、あろうことか仮眠中に上からのしかかり乱暴しようとしたという。これは本人がネットで告白しているので間違いない。また今でも独り身をよいことに子供達をほったらかし、夜な夜な女漁りを繰り返しているという海老蔵!こんな男が歌舞伎界の名跡・団十郎襲名は問題なのではないのか。

私が歌舞伎というものを始めて見たのは高校生の時である。「日本人として生まれたからは、歌舞伎くらい教養として知らなくてはだめだ」と歌舞伎好きの父親の勧めで、何度か歌舞伎座を訪れたことがあった。そして最初に見た演目は勧進帳だったと思う。当時主役の弁慶は尾上松禄が演じたと記憶する。そして観劇の後に、亡くなった11代目・団十郎は気品がありすばらしかったなど、いろいろと後講釈を聞いていたので、無頼漢・海老蔵の団十郎襲名など言語道断である。

1960年代はマルチタレントとして新劇でも活躍した松本白鷗筆頭に、同世代の若手歌舞伎役者が多く登場した時期でもあった。先日なくなった吉衛門、菊の助、辰之助、新之助、すこし若く玉三郎に勘三郎と歌舞伎界が華やかであった頃だ。でもこの中では先日なくなった12代目団十郎・海老蔵の親である新之助は、声も悪く大根役者だと父親が酷評していた。(襲名のたびに品格が落ちていく団十郎。まるで歌舞伎界の衰退を拝むようだ。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

茶飲み話・年金減額

「年金生活者への五千円給付案見送り!」。夏の参院選を控え自民党が集票ために、模索していた高齢者への現金給付がとりあえず白紙となった。新年度の四月から0、4パーセントほど減額される公的年金への穴埋めとして議論されたが、高齢者優遇との批判もあり再検討されることになった。現在年金支給は物価上昇率を参考に決められる。そこでデフレであった昨年度は、物価が0,2パーセント減のため、減額されるらしい。

でもさいさん私も書いているように、今年度は大幅なインフレに見舞われる可能性が高い。それなのに昨年の指数を参考に年金を減額したら、強烈な物価上昇とのダブルパンチになる。5千円などとケチクサイこと言わずに、10万位配って欲しい。紙幣など日銀が輪転機回せばいくらでも刷れる。どうせわが国の財政はすでに破綻している。

「中、高年になって後進国から若い嫁さんもらうと大変なようだ!」よほど稼ぎが良くないと死ぬまで貧乏な生活をおくる。現在日本は年金制度が確立していて、これでも高齢者は基本国が面倒を見る。ところが東南アジアや中国では、まだ年金制度が充実していない。すると老後の生活は子供達が面倒見る事になる。そこで親孝行な娘は日本人亭主から金を巻き上げ、せっせと親元に送金し生活を支える。

しかしその日本でも国民年金制度が確立されたのは昭和36年からである。それまでは農家や自営業者には年金など存在しなかった。そのため親の面倒は通常長男が受け持つことが決まっていたのだ。姉三人の末っ子長男として生まれた私も年少の頃から、親の面倒をみる跡取り息子として育てられた。そこで「冨岡君も良いけど小姑3人、親と同居じゃね!」と敬遠された。

昭和の中頃までは日本でもまだ古い慣習にとらわれていたので、長男は通常親が決めた女性と「お見合い」などで相手を決めることも多かった。今の若い人には考えられないが、日本人が自由恋愛で結婚相手を決めるなど、つい最近のことである。年金制度のおかげで長男は家の縛りから開放されたので、多少の減額は我慢するべきか?(劇的な離婚率の増加は花火のように燃え上がって消える、恋愛結婚が原因ですよ、たぶん。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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