車
最近私の住む市川市の村越市長が公用車としてアメリカ製高級車、テスラを2台購入していた事がマスコミの報道により明らかになった。この車は電気自動車で価格は一千万円もする。実際にはリース契約だそうだが、税金のむだ使いであるとの批判を市民から浴びている。昨年行なわれた市長選挙では村越市長を初め三人が立候補したが、誰も規定の得票数には届かず再選挙の末、現在の村越市長がやっとの思いで当選した経緯がある。村越市長は私と同じ市川高校の出身なので、先輩のよしみで私は彼に一票を投じたのだが、「地元地主で坊ちゃん育ちの彼は、まさかこの程度の支出で批判されるとは思わなかったに相違ない!」環境問題を配慮して電気自動車の購入を選ぶなら、日本には三百万前後で買える日産リーフがある。
テスラのこの車は後部座席のドアーがガルウイング(カモメが翼を広げたように、ドアーが上に開く)という特徴がある。大きく開いた後部座席から若い市長が「ジャジャーン!」颯爽とおりたつ姿を思い浮かべると、まるでハリウッドスターのようでカッコ良い。でも自分の金で買うならともかく、税金での購入では目立てば目立つほど市民からの反感をかう。名古屋の河村市長などは公用車は軽自動車だという。こんな金銭感覚では予算管理配分など、この先税金の使われ方も気になるところだ!市川市はふるさと納税などの弊害で、数億円の減収だといい財政も厳しい。でもマスコミや世論を恐れて、ケチケチ節約して事なかれ主義のビジョンなし市長もいただけないのだが・・・。
ところで日本では発明王といえばアメリカ人のエジソンが有名だが、実は同時期エジソンも恐れたというニコラ・テスラという天才発明家がいた。物理学者でもある彼は交流電流、ラジオ、モーター、レントゲン、蛍光灯など現在でも使われているエジソンも及ばない実に多くの物を発明している。このテスラに傾倒し自社名をテスラに命名したのが、テスラモーター車の社長イーロン・マスクという人物である。彼はいわゆる典型的なベンチャー企業の経営者で非常に未来志向が強く、電気自動車をはじめ宇宙旅行など多方面に革新的ビジネスを展開し、世の中を劇的に変えようと努力している。電気自動車は構造が単純でガソリン車と違い、部品の数が四分の一ですむという。でもバッテリーの蓄電能力と耐久性にはまだいろいろ問題が残るようだ。
たぶん私の推測では村越市長はテスラの社長イーロン・マスクを尊敬し、彼にあやかりたいと思っているのではないか?市川市を未来型都市に変貌させるためのシンボルとして、テスラを買いましたと言ったらどうだろう?
(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)
アンポ
アンポ
「安保、反対!アンポ、ハンタイ!なんでも、はんたい!」などと口々に叫び近所の子供たちが路地を練り歩く。立ち話のおばさん達がそれを見て苦笑い。ついに60年安保反対デモが、子供達の遊びにまでなった瞬間だった!当時テレビが庶民の家庭にも普及し始めると、夜のニュースでは国会議事堂周辺の緊迫感が何度も放映されていた。日米安保条約の改正に反対する全学連のデモ隊と警察機動隊が激しくぶつかる状況を見て「なんでそんな悪い条約を締結するのか?」私は子供心に思っていた。そのころはの日本は今と違って、多くの若者は社会主義国家に憧れ、我が国も早く資本主義のアメリカから離れるべきだ!という世論も強かった。しかし自民党岸首相の主導の基、なかば強引に60年安保は国会を通渇する。
そして半世紀以上も時が過ぎた現在その頃の記憶もうせ、60年安保のことなど誰も話題にしなくなった・・・。「日米安保条約など破棄することも考えるべきだ!」トランプ大統領が先日突然発言した。もともとはアメリカから押し付けられた感のあるこの条約であるが、確かに日本側に有利な不平等条約である。(日本が攻撃されたらアメリカは日本を守る。だがアメリカが攻撃されても自衛隊はアメリカと一緒に戦わなくてもよい)これはアメリカが日本を再軍備強化させないための戦略であったと思うが、もう60年以前の条約で今のアメリカには負担が大きいのも確かである。でもこの安保条約のおかげで戦後日本は国防にあまり金を使うことなく、日本のインフラ整備や経済発展に資金を集中することが出来たのだ。
私にはトランプ大統領の真意は分からない。でも自国を自ら守ることは国家としては当然のことである。戦争に負け無条件降伏をした日本は軍事面では手足をもぎ取られた状態が続いている。自衛隊という組織もあるが、もし在日米軍が引き上げたら邪悪な軍事大国に囲まれる日本など、簡単に領土をもぎ取られる。「中国、ロシア、朝鮮人も、相手は人間だ!話し合えば分かってもらえる、軍隊を持たない平和憲法を守りましょう。」という理想論を言う人がいる。でも彼ら国民の置かれている状況を見てほしい。人権や人間の尊厳は剥奪され何の批判もできず、ただ独裁者にひれ伏し忠誠を誓うだけだ。彼らの掟は喰うか喰われるかで殺伐としている!性善説でなりたつ日本人は、いつも相手の善意を期待する。でもこんな民族、世界広しと言えども大国では日本人しかいない。
そろそろ憲法9条を改正し、真の意味で独立国としての尊厳を取り戻す時期に来ているのかも知れない。トランプさんありがとう。(勝田陶人舎・冨岡伸一)
アンカレウドン
アンカレウドン
まだ今のロシアがソビエトと呼ばれていた頃、軍事機密の保持と防衛の理由でロシア上空を日本や欧米諸国の旅客機が飛べず、殆ど全ての航空会社のヨーロッパ便は、アラスカのアンカレッジを経由していた。しかしこの行程は時間がかかる。まず羽田からアンカレッジまで6時間。アンカレッジで給油のため飛行機を一度降り、ターミナルビルのロビーで3時間の休憩だ。再び飛行機に乗り込みヨーロッパの主要都市へは10時間、およそ20時間もかかった。でもまだ往きは気持ちが高揚しているので良いが帰りが困る。旅の疲れとエコノミークラスの狭い座席での長旅はもはや拷問に近く、やっとの思いでヨーロッパからアンカレッジにたどり着く頃にはもうヘトヘトだった。
「あれー、なんだこの懐かしい香りは?」眠い目をこすりアンカレッジ空港のロビーの長椅子に座り生アクビを繰り返すと、どこからか醤油らしき香り!立ち上がり臭いをたどると、去年まではなかった土産物屋の隣にうどん屋が開店していた。店内を覗くと駅蕎麦のようにどんを茹で上げている。でもメニューには月見うどんが十数ドルとえらく高い!「あと6時間我慢すればもっと美味いうどんが日本で食えるはずだ」と思いつつも日本人で賑わう店内に入る。しかし外国人はウドンなどに全く興味なく、遠くから不思議そうに眺めている。私は差し出された白い発砲スチロール碗の月見うどんに目を移し、それを2,3本を箸でつまみ啜ってみた。ふやけて腰のないネチネチウドンはだし汁もまずく、地元ホームの駅そば以下であった。
ところで先日近くのショッピングモールのフードコートに、買い物のついでに立ち寄った。見ると丸亀製麺の店頭だけが列を成す。若い人達も意外に多くいて人気があるようだ。ふだんウドンなど食べない私も、ためしに後尾についてみた。そして列が進み厨房で働くスタッフを見て驚く!忙しく働く人の殆んどが70以上に見えるおばあちゃん。その割には手際が良く活発に動く、「元気だなあー」動作に見とれた・・・。うながされて盆を手に素ウドンを頼むと、あとは好みで天ぷらをトッピングするのだという。先ずはカキアゲをとるが、「やばい、チクワの天ぷらが隣にあるあるぞ!」急に親父の顔が浮かんだ。子供の頃から我が家には禁止食材があった。焼いた生揚げ、チクワの天ぷらなどの幾つかだ。これらを食べると男の出世のさまたげになると父親はいっていた。安くて旨いのでそれで満足するようになるらしい。
最近ではラーメンに続きウドンも海外で大人気だという。この丸亀製麺もアメリカで店舗拡大中ときく。醤油の味と香りが世界中に広まった。この歳になるともう出世へのこだわりもない。次回はチクワの天ぷらをトッピングするか?
(勝田陶人舎・冨岡伸一)
アジサイ
アジサイ
バスから降り階段を駆け上がると、特急電車がホームに滑り込んできた。やれやれどうにか間に合った。席に座りホッと一息・・・。正面をみると、「あれーなんだこの二人、親子かなあ?」中年女性と女学生と見られる二人の顔が全くの瓜二つ!あまりにも相似形なので、噴出しそうになったがグッとこらえた。でも二人の顔がなんとなく、化粧品の宣伝に出てくる使用前、使用後のメークのようで面白い。「若いこの子も30年も経つとこうなるのか?」親と視線を合わせずに眺めた・・・。確かに子供は親の容姿に似るものだが、こんなことは大昔から分かりきっていた。だがその理由が科学的に明らかになったのはDNAが発見され、遺伝子解析が進歩したごく最近のことである。
「あなたの唾液からDNAを採取し、遺伝子情報を解析します」というサービスが最近流行っているという。ここまで遺伝子解析が進むと、私が一番興味を持つのは「一体、われわれ日本民族はどこからやって来たのか?」という難問である。先ごろまでは単純に古代からの原住民であった縄文人に、中国や朝鮮半島から渡って来た弥生人といわれる人との混血と考えられていた。しかしその言語、文化、風習、統治制度など余りにも異なる。そこでいよいよDNA解析による日本人のルーツ探しが始まったが、それによると多くの日本人は韓国や中国人の持つ遺伝子とは異なり独特らしい。むしろ南アジアの人々との共通点が多く、それに氷河期には陸続きだった樺太・北海道からの北方アジア人の遺伝子が混じっているという。
そして真偽は分からぬが遺伝子を調べると、日本人とユダヤ人の遺伝子が共通する部分があるという人もいる。「何でそんなことが!」地理的距離を考えると常識的にあるわけない。でも一部の説では、ユダヤ人はイスラエルの地をローマに追われた後、12部族あったうち10の部族がこつ然と消え、その後の行方が分からないという。東へ逃げた一部がモンゴルを通り満州を経て日本にたどり着いたらしい?この秦氏と日本で呼ばれた集団が実はユダヤ民族で、日本にもろもろの文化をもたという珍説もある。確かに日本人とユダヤ人は共に勤勉で共通点も多い。かつて山本七平という人がイザヤ・べンダサンと名乗り「日本人とユダヤ人」という本を出版し、すごく評判になったことがあった。
今咲くアジサイは日本原産の植物であるが、海外に渡り遺伝子操作などで様々な品種に改良され、里帰りして花屋の店頭を飾る。このブログはあくまでも私の独断と偏見によるもので、正確な歴史考察、科学的根拠に基ずくものではありません。
(勝田陶人舎・冨岡伸一)
モヤシ
モヤシ
「えー、モヤシがたったの1円か!」先日テレビを見ていたら、商品を奪い合う大勢の客で混むスーパーマーケットの映像が飛び込んでくる。この店では他にピーマンが1個十円、鳥の胸肉、豚の細切れ、牛肉などが異常に安い値段で特売されていた。それを人々が我先にと大量に買い込んでいる。ある客は「これで1ヶ月分の買い物をすましたから、もう今月は買い物しない!」などと発言した。「お客様が喜んでくれれば!」と店長も平然とインタビューに答える。「嘘だろう?」こんな価格では生産者は利益どころか労賃もでない。私が農家ならバカバカしくて廃業する。客観的に見て、客も店側の双方にも良さそうなこの価格破壊の安売り、実はとんでもないことなのだ!
いま日本では一般の人々の消費購買力がどんどん落ちている。普通の定価で商品を購入する健全な消費者が余りいなくなってきたのだ。そしてその典型なのが百貨店での買い物客の減少である。だれも美しいバラの包装紙などのこだわりもない。わざわざ歳暮でビールを送るのに百貨店に出向くことも減ってきた・・・。でも私はこの現象が非常に気になる。一軒の店で激安販売を行なうとその周辺の消費者を根こそぎ奪い取り、人々は価格破壊に慣れてまともな値段での買い物をしなくなる。いまはとりあえず人口の多い団塊の世代が退職し、労働市場から抜け出ているので失業率は低く完全雇用の状態だ。でも多くの仕事が薄利になり激務の割には賃金が上がらない異常な状態が続く。
若い人は30年前のバブルの時代など全く知らない。当時はインフレで銀行の定期預金に7,8パーセントの金利が付いた。ても土地の値段や物価上昇も激しく、先高感を見越し競って高い買い物をした。ブランド物のバックや靴も飛ぶように売れたので、デザイナーであった私も簡単に高給が稼せげた。お金が激しく回転して皆が潤い、数千万もするゴルフ会員権がとぶように売れた。しかしいま国会では金融庁からの提言で、「老後年金支給額だけでは足りないので、各家庭2千万円貯蓄する必要がある」という当然の発表をしたことが世間では問題となっている。でもデフレの今実際に皆が一斉に2千万貯めるための節約を始めたら、お金が消費に向かわず、ますます不景気になり結果として激安店に走る。
生まれてからずっとインフレ状態で育った私は、バブル崩壊の前までは経済現象としてデフレが本当に起きるのかが、想像もできなかった。でもデフレ状態が長く続く昨今、日本経済が再びインフレになるイメージなど殆んどわかない。
(勝田陶人舎・冨岡伸一)