パンプス

最近パンプスを履く女性が少なくなってきた。電車の中で座席に腰掛け足元を見ていると、殆どの女性がスニーカーやウオーキングシューズをはいている。ファションのカジュアル化に伴い、スーツを着なくなったからなのか?歩きにくいのが原因なのか?いろいろあるだろうが、時にはパンプスを履いて颯爽と歩く女性の姿を眺めるのも悪くない。

いま中高年女性の多くが、外反母趾に悩んでいる。男性には殆どないので、パンプスを履いてきたことが原因なのは明らかだ。特につま先の尖ったナロートウのパンプスは、締め付けるので外反母趾になりやすい。

かってはファッショナブルな女を演出するために、女性達は努力を重ねた。外反母趾はその勲章だとは言わないが、足はその人のおしゃれの、記録でもあると思う。でも今の若い女性は、流行にすぐ飛びつく意識は昔ほど強くない。

ところでトランプさんの奥さんのメラニヤ婦人はいつ見ても、ピンヒールでつま先の尖った高寸のパンプスを履いている。モデルだったので、これが良く似合う。イギリスのメイ首相も高寸のパンプスをいつも履いている。欧米の女性は合理的なのでパンプスなどもうとっくに履かなくなったと思っていたが、上流階級ではそうでもないらしい。

アメリカでは男が出世して金持ちになると、糟糠の妻とはたいてい離婚する。そして若く美人の女性と再婚し皆に誇るのだが、この若くて美人の妻をトロフィーワイフというそうだ。出世した証にもらう優勝カップにたとえて。トランプさん、あなたも大金持ちになり優勝カップも取ったのだから、もっと謙虚になり周りの人々をあまり中傷せず、頑張ってください。世界平和はあなたの肩に、かかっているのです。

写真は婦人靴の作り方で、粘土で自作した陶の靴です。

肝焼き

先週、高校時代の親友4人と勝田台の大利根という鰻屋で忘年会を行った。ここの鰻は価格も手ごろで、焼き加減も程よく年に数回は通う。入り口を入り天井の高い玄関から座敷に通されると「あれ!椅子になってる」と友人の声。見ると確かに畳の上に椅子席が置かれている。「これならいいや」と一同の笑顔。最近よく見かける四足の下の前後に、ソリのように板が付いた畳専用の椅子だ。以前この店は畳に座卓で、股関節が硬くアグラもかけない私にはけっこう辛かった。足を伸ばすと対面の人に失礼なので、中途半端に足を組むがなんとなく落ち着かない・・・。この日は鰻重の他に肝焼きも一本ずつ頼んだ。でも私は好きな肝焼きの串を手に取り口に含むと、いつも一つの疑問が頭をよぎる。

「どう考えても数が合わない気がする!」通常鰻重を頼むと必ずウナギの肝が1個はいった「肝吸い」のお吸物が付いてくる。鰻重には松竹梅の価格差のグレードがあり、梅にはこの肝吸いが付かない。でも殆んどの人は松か竹を頼む。1匹のウナギに肝は1個だけだ。すると肝焼きにするほど、ウナギの肝が余らないのではないかと勘ぐるわけだ。そこでネットで調べてみたら、「こんなくだらないこと私以外に感じる人がいました」それによると常時肝焼きがあるのは、身だけを売るスーパーや魚屋で肝を仕入れてくるのではないか?ということであった。やはりそうだよなあ!ぜったいにどう考えても数が合う分けない。

4年前、我が家では8畳の和室をフローリングに改装した。壁の色もベージュから弁柄色に変えたら京都の町屋風に変身したので、時々ここで客を招いて飲み会をする。50年以上前も父がこだわって宮大工に建てさせた家だが、総ヒノキなので今だにしっかりとしている。近所の住宅地を歩いていると、建て替えのため家を取り壊す光景を目にするが、もったいない気がもする。「日本人は古いものを大切にしない」と外国人からよく言われる。いちど失った技術や建物などは、再構築するのが難しい。これからは海外から多くの人が日本を訪れる。自宅に招く機会もあるだろう。その時に新しいが無国籍の家では感動も少ないのではないかと思う?

肝焼きの謎が解けたので、これからは何処から仕入れたのか分からない肝焼きは食べないことにする。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

小鳥

鳥篭に小鳥を入れ飼っている人を最近あまり見かけない。以前は美しい声で鳴くカナリヤや、ジュウシマツ、ブンチョウ、インコなどの小鳥を飼う家庭が多かったが、なぜか飼う人が減少した。私の工房がある勝田台のバス通りにも一軒の小鳥屋があったが、15年以上も前に廃業した。そういえば近年ペットショップに行っても小鳥はあまり見かけない。その代わり一時期犬を飼う家庭が増えたが、毎日の散歩が大変なのか?犬を連れ歩く姿に以前ほど出会わなくなった。昨今ネコカフェと呼ばれる喫茶店があるらしい。お茶を飲みながら自由に猫を抱いたりできるそうだが、私は猫のいる飲食店などは衛生的な面で抵抗を感じる。

「あれ、目の錯覚かな?」大き目のトレイの表面がゆっくりと波打っている。すると「はっと思い、突然一歩引いた!」目でフォーカスするとなんとそれは全て蛆虫のような茶色いワームで満たされていた。もう25年ほど前になるが香港の靴の展示会に参加したことがある。仕事の合い間に一人香港島の対岸にある九龍地区のを散策していると、近くにペットの鳥専門に商うマーケットがあると聞いたので訪れてみた。ゴミゴミとした小さな店舗が並ぶその中に進入すると、アレルギーなのか?やたらにクシャミがでる。ハンカチで口を抑え、なおも進んでいくと鳥篭を吊るす下でその妙な虫と出合った。

聞くところによると、その蛆虫は葦の茎に巣くう虫で鳥の餌だという。しかしよくもまあ、こんな沢山の数を集めたものだ。茎から取り出すのも大変だろうと感心した。住宅事情の脆弱な香港の一般庶民は、犬猫などは飼えないのでお年寄りは小鳥をペットに飼う人が多いという。いつも穀物などの餌では小鳥の健康にも良くないらしく、たまにはこのワームを餌として与える。我が家でも数年前まで犬を飼っていたが朝晩の犬の散歩の役目はいつからか、犬嫌いの私の担当になっていた。私の子供の頃は家庭の飼い犬の大半は放し飼いにされていた。そこでよく犬に追いかけられたり噛まれたりする・・・。そのご犬の放し飼いが徐々に禁止になり、野良犬も犬殺しと呼ばれた保健所の捕獲員に一掃された。

今では子供が犬に追いかけられることもない安全な街となる。われわれの世代以上に犬嫌いが多い理由は、子供のころの経験にあると思う。

(勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

梅干

梅の木は日本全国どこにでもあるので梅干の産地は点在するが、あえて言えば和歌山であろう。ここの梅は南高梅といい粒が大きく皮が柔らかいので、梅干には確かに最適だ。我が家でも妻が梅干が好きで、千里庵というメーカーから直接取り寄せているが、私は血圧が高いので、甘塩といえど余り食べないようにしている。

ところで塩分と血圧の直接の因果関係は本当にあるのか?先日週刊誌を見ていたら、高血圧を引き起こす主な原因は塩でなく、脂肪であるということが分かってきたと特集されていた。

高血圧症と診断されている私は月に一度、町医者に薬をもらいに10年程かよい続ている。待合室で見ていると高血圧症の人は非常に多い。上が140以上の人は一様に高血圧と診断され薬を処方されるが、人により違うのではないか?いつも疑問を持っている。でも「脳梗塞や心筋梗塞になるよ」と言われれば怖くて飲まざるえない。

高血圧薬の市場は非常に大きく製薬会社のドル箱ときく。また町医者に通う成人の3割は高血圧症の人だ。この状態は日本だけでなく、先進国ではみな同じ。一部では製薬会社と医師会が結託して高血圧症とう病気を、捏造しついるという報道もある。真意の程は分からないが、医者の指示に素直にしたがい、自覚症状のないまま薬を飲み続ける人々を裏切らないでほしい。

写真は梅干入れとして、最近作ったものです。

 

 

本屋

皆さんは浅草浅草寺の雷門を通り過ぎ仲見世を直進し法蔵門の右手前、人形焼木村屋の隣に小さな江戸趣味小玩具「助六」という店をご存知ですか?ここは江戸末期から続く玩具屋で、江戸時代の小さい店頭模型などをあつかう店である。目立たないので注意して見てないと、すぐ通り過ぎてしまう。

その店で私の父が90年位前に、買い求めたのがこの本屋の模型だ。前に楊枝が置いてあるのでその大きさが分かると思うが、かなり小さい。店頭には役者絵や草子などがならび、当時の面影を映している貴重なものだ。今も時々この店を覗くが、このように手の込んだ物は見うけない。小さいので画面を拡大してじっくり見て欲しい。

ところで最近の本屋の変化には驚く。以前は長く立ち読みしていると、いやな顔されたものだ。ところが今は椅子まで置かれ、どうぞごゆっくりと。なかにはカフェまで併設され、お茶でも呑みながら読んでくださいと。でももし汚したらどうするのか?いらぬ心配をする。

本屋は基本委託商売なので、売れなければ返品すればよい。でも汚れた本まで返品されたら出版社もたまったものではない。読書が好きで本屋にはよく通うが、町の本屋がどんどん消えていくのは寂しい。

アマゾンの出現で本はネットで買うようになった。即日配達まで登場し、宅配業者を悩ませ問題になっている。時代の変化はどんどん早くなり、明日のことは分からない。技術革新も良いが時代についていくのも大変だ。

本は店頭で探し、いろいろ比較しながら購入する楽しみもある。でもその前に本などの紙媒体が無くなる可能性もあるか?

 

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