茶飲み話・石破発言
「日本の財政状況はギリシャよりもよろしくない」と先日石破総理が国会の答弁で発言した。2009年にギリシャは財政赤字が積み上がり、財政破綻を起こす。しかしその時にヨーロッパ各国の支援を受けなんとか危機を脱した。いま我々が住む日本はこの時のギリシャの状況よりもっと悪い。そのため消費税を始め減税などはもってのほか!むしろ財源不足から増税を検討しなければならない状況にあるという。
確かに現在の日本は赤字国債の乱発により、国の借金は1200兆円という膨大な額に膨らんでいる。これは我が国のGDPの3倍弱なのでかなり深刻なのは確かだ。しかし我が国の借金は他国から借りたギリシャと違い、日銀を始め自国の金融機関が国債を持っているので、直ぐに財政破綻をすることはない。家庭で言えば夫の借金は妻から借りた借金であるというようなもの。通常とりあえず夫婦円満なら、すぐに大きな問題が起こることはない。
しかし石破総理がこのような発言をあえてすることは、国民に「日本は借金大国なので減税など無理です。むしろ増税しなければ国は潰れます」と言いたいのです。でもこんなこと一国の総理が発言すれば国民は委縮し、財布のひもを締めるばかりだ。すると消費の低迷により景気は後退していく。景気の良いのは海外から観光にやって来るインバウンド客のみでは、この国は本当に終わっていく。
インフレの進行に、増税や財政支出のカットが重なれば通常の市民生活が維持できるのかが心配だ。最近は増え続ける貧困層に対する生活保護申請も厳しくなっている。しかし税金も払わない隣国の不法滞在者の保護申請には甘いのだ。国会議員は国民のために働くのが責務であるはずが、自分の私利私欲や隣国人たちに寛容な姿勢には本当に腹が立つ。日本にもトランプさんのようなジャパン・ファーストを叫ぶ強い指導者が必要になってきた。
アメリカは財政赤字で真っ赤カ、日本も石破さんが財政赤字で真っ赤だと言う、中国や韓国も同じく真っ赤カ!「夕焼け空は真っ赤カ、トンビがくるりと輪を書いたホーイのホイ」(戦後の歌、わかる人には分かります)いよいよ世界経済は傾き地平線に沈むのか!今までに見たことのない真っ赤カな夕焼け空である。(三度の飯に事欠く戦後の混乱期に生まれ、三度の飯欠く晩年を迎えるのかも?勝田陶人舎・冨岡伸一)
白金ネーゼ
茶飲み話・白金ネーゼ
白金ネーゼとは言わずと知れたプラチナに対して私がつけたニックネームだが、どうも最近このマダムが元気ない。私は元来古代より通貨として使われてきた歴史を刻んだ金さん銀さんよりも、近代になって発見され注目される若い色白の白金ネーゼマダムの方が好みだ。でも近頃、精彩の無いマダムの原因を探ると別に化粧のノリが悪いわけではなく、皆に注目されなくなったことが原因だと分かった。美人も多くの人に見られてより磨きがかかる。
最近値上がりを続けるゴールドは短期的には調整に入り、下落する可能性もある。しかし相変わらず各国の中央銀行は財政を補填するために国債や紙幣を刷り続け、貨幣価値はドンドン目減りしている。そしてそれが原因で高インフレを招き物価を押し上げていく。このサイクルを続ける限りはゴールドは上がり続けるので、目先の価格などを気にせず握り続けることがベストだ。ゴールドは有史以来続く通貨なので、紙幣よりもずっと信頼性が高い。
私は30年間続けてきた田中貴金属での毎月1万円づつの純金積立を、先月プラチナに代えた。これは10年以上前はゴールドより高かったプラチナ価格が、ゴールドの三分の一以下まで値下がりしたためだ。ゴールドのように各国の中央銀行が、紙幣価値の下落を補うために保有しないプラチナは工業材料なので、中国経済の景気動向にも左右される。これからも中国経済が低迷する傾向が高く、当分プラチナ価格が急騰する可能性は低い。
しかし積み立て投資は価格が安ければたくさん買えるので5年、10年は価格上昇しない方が良い。そしてある程度溜まったころに価格が急上昇すれば、一気に利益は増大する。10年先には水素が燃料として一般的に普及するので、その時は素材として多く使われるプラチナの需要が増大する。なにしろプラチナはゴールドの20分の1しか産出しないのだ。でもこれは数年後に訪れるはずの大混乱後の話なので、まだゴールドを所有していない人は金貨1枚購入の方が良い。
最近若年層の貧困率が上昇している。給料は上がらず、福利厚生費の増大にインフレの進行と手取りは目減りするばかりだ。そしてこれから数年後には、ある程度の貯えがある年金族にも貧困が波及してくる。高インフレによる年金の目減りは老後生活を圧迫するだろう。その時になって慌ててももう遅い。備えあれば患いなし!(ゴールドと共にいま注目されているのがビットコイン購入である。勝田陶人舎・冨岡伸一)
知足
茶飲み話・知足
知足とは、自分の境遇に満足し、分相応で生活する事とある。これからもっと二極化が進むと少数の富裕層と多くの貧困層に別れる。すると当然サラリーの無い年金族の多くは、好むと好まざると貧困層に入っていく。自分は絶対にその層にはならないと言うだけの資産があれば問題ないが、ひとたびハイパーインフレが来れば少々の預金ではとても対応できない。そこで資産防衛と共に必要なのが貧困に対する心構えである。
日本は島国でそのうえ長い間鎖国も続いたので、基本自給自足の知恵もいろいろとある。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言もあるように戦後続いてきた繁栄しか知らない現代人は、これからは近代以前の人々の暮らしぶりなどを参考にする必要も出てくる。昔の人々は貧困を卑下するでもなく、和をもって心豊かに暮らしてきたのだ。でも実際にその時代を生きた訳でないので理想論であるが、本当に貧しくなる前に心構えなどを考えてみたい。
日本には清貧の思想など清く貧しく生きるための知恵が様々ある。例えば「身の丈で生きる」、「起きて半畳寝て一畳」、「一汁一菜」、「ボロは着てても心は錦」「武士が食わねど高楊枝」など貧しさに負けない知恵は様々だ。これからどのような時代がやって来るのか分からないが、私の実感では人口が減り続ける日本の未来が今よりも明るいなどとも思えない。常にどん底を想定して生きていれば、自分の現状に対する感謝の念もわく。
「弊衣破帽」とは戦前旧制高校の学生が好んだ貧乏ルックである。傷んだ学生服に破れた帽子を被り、下駄を鳴らして歩く姿にあこがれた時代もあった。ところが戦後我々の高校時代はアメリカからやって来た、洒落たアイビールックが流行り校則を無視し、バンのボタンダウンのワイシャツにチャコールグレーのズボンをはいて学校に行った。当時繁栄を誇ったアメリカの生活スタイルが青春時代の憧れであった。
でもイタリアの語学学校で会ったアメリカ人のポールはコロンボ刑事のような古びたベージュのコートを身にまとい通学していた。特に感心したのが教科書を安売りスーパー・スタンダの名が印刷された買い物袋に入れ、ぶら下げて通った。そして彼はそれを卑下するでもなく誰とでも陽気に挨拶など交わしていた。「カッコイイ、これぞ究極の貧乏ルック!」(若い頃はボロは着てても心は錦も良いが、年を重ねるとねえ。老後貧困にならぬよう心がけよう。勝田陶人舎・冨岡伸一)
格差社会
茶飲み話・格差社会
いま世界的な現象として進んでいるのが格差社会の到来である。金持ちはより資産を積み上げ、貧乏人は加速度的にその貧困度合いを増している。日本の場合、その原因の一つにあるのが企業の利益配分である。特に大手の上場企業が企業努力により得た利益を、適切に従業員に還元できないシステムになってきているのだ。バブル崩壊で日本人が所有する株式が急落し売却した後、それを拾い集めたのが海外の投資家である。
その時以来、日本の上場企業の株主の多くが外国人に変わった。すると彼れらは「会社は株主の物である」と主張し、本来従業員に配分されるべき利益を、株主に支払うように要求した。そして株式の配当金の増額や、株主に有利な自社株買いに利益を回すように圧力をかけた。すると企業の経営者は彼らの主張を受け入れ、サラリーに回すべき資金を株主に支払うようになったのだ。日本人の給料が上がらなくなった主な原因はこの利益分配にある。
そして現在、給料が大きく上がらない状況に追い打ちをかけるように進んでいるのが、諸物価値上がりを伴う急激なインフレの進展である。「ええ、また値上げか!」半年前に1400円に値上げしばかりの千円床屋が、昨日行くと券売機の価格表示が1500円に変わっていた。このように最近の物価高には驚くばかりである。いよいよ私が数年前より警告していたインフレの進行による貧困は、これからが本番になる。
以前から指摘しているように、これから時代勤労者以上に経済的圧迫をうけるのが我々年金族である。いっぽう不動産やゴールド、株式などを多く所有する資本家は実物資産の値上がりで、その富がますます増大する。このようにしてリッチな一部の富裕層と多くの貧困層の格差は増々ひらいていく。だが不動産を買うには大金が必要で、株式投資は高齢者にはリスクが高い。そこでゴルード保有が最善であったが最近の値上がりで、ゴールドの新規買いも高嶺の花となった。
するともう一度見直したいのが「清貧の思想」である。日本人は古来より清く貧しくを実践して生きてきた民族である。普通人間は生活が困窮すると精神まで卑しくなる。ところが日本人は「詫び寂び」など華美でない精神文化をいろいろ生み出してきた。豊かさとは何も物質的な充足ばかりではない。一汁一菜でも精神的に豊かに暮らせば幸福感は得られると賢人はいう。(自分で焼いた茶碗に湯をそそぎゆっくりと味わ会う。天を仰ぎ人生これで良いのだと達観を気取る。でも貧乏は好きではない。勝田陶人舎・冨岡伸一)
茶の湯御政道
茶飲み話・茶の湯御政道
茶の湯御政道とは戦国時代織田信長により、茶の湯が政治の道具に使われた事象を言う。平安時代に中国から我が国に伝ったお茶は最初の頃は頭痛薬として使われたり、まだ茶道などの形式もないので、ただ喫茶を楽しむだけの存在であった。そして抹茶自体も今のような緑色でなく、ほうじ茶のような茶色の粉末であったという。中国ではお茶はウーロン茶のように乾燥発酵させるので色は当然茶色である。
その後お茶の木が日本で栽培されるようになると、日本では緑の若芽をつまみ乾燥させるので、緑色のままでグリーンティーとして親しまれた。それから時が経過すると、お茶が好きであった織田信長が現れ喫茶を政治の道具にできないか?一計を案じることになる。もし茶道具に高額をつけ家臣に褒美として与えれば、金子を節約できると考えたのだ。それまで合戦で手柄を立てた武将には、領地や金子を与えることが常であった。
賢い信長はそのころ堺で茶道を確立しつつあった千利休を向かい入れ、茶道の普及と朝鮮で作られたタダの飯茶碗に、茶道具として用いることにより高額な値段をつけること発案した。そして戦で活躍した武将達に金子の代わりに、茶道具を与えたのだ。最初戸惑っていた武将も徐々に金子よりも茶道具を喜んで受け取るようになる。そして茶会自体の開催も禁止にし、信長が認可を与えた者だけの特権にかわった。秀吉も褒賞として領地や金子の代わりに茶会の開催権を得た時は、非常に喜んでいたとの記述がある。
私が考えるに、茶道具の高騰は日本における最初のバブル現象だと思っている。小さな茶入れなどの価値が何千石にも化けたのだ。これを見ていた南蛮人が「あんな古びた茶碗、銅銭一枚でもいらない!」といったとか。まさに冷静に考えればその通りだと言えなくもない。でもそのころオランダでも珍しいチューリップの球根に法外な値段が付いたチューリップバブルの歴史がある。
今でも昔中国でつくられた世界で3個しかない曜変天目茶碗には300億円もの高額が付く。たしかに美しいと思うし貴重であるが300億とはねえ!もし私が大谷君のように金持ちであったとしてもこの金額では買いたくもない。豚に真珠、猫に小判、貧乏人に曜変天目である。物の価値はブームになると熱狂し、とんでもない値段になる事がある。(米国の財政が破綻しゴールドがバブルになれば老後資金の心配も消えるのだが。勝田陶人舎・冨岡伸一)