茶飲み話・料理教室

先月あの料理研究家の柳原一成さんが群馬県の国道を走行中、側道に激突し亡くなったというニュースが飛び込んできた。一成さんは代々続く江戸懐石料理「金茶流」宗家の主人で、赤坂にある自宅教室で日本料理の指導をしておられた。今年79歳というので、長寿社会の現在では早死にといえなくもない。現在では息子さんが頑張って後をついでいるが、私の師匠でもある一成さんの突然の訃報にご冥福を祈りたい。

「絶対に男女間のもめ事などは慎んでくださいね」と入会の事務手続きを終えた一成さんの母君に、硬く念を押された。もう30年以上も前、この料理教室では男の生徒さんの在籍は認めていなかった。ところが一緒に料理を習う私の親友が「どうせなら、一流所に行こう」という発案で一成さんの知人を介し、裏から話をつけ入門許可を取り付けたのだ。「人をよく見てから言ってください。堅物な私にそんなことあるわけないでしょう」と苦笑した。

ところが私の親友はその後暫くすると「忙しくなったから」という口実で退席する。すると一人残った私は20人ほどの女性に圧倒されながら「借りてきた猫」状態で、遠慮がちに料理道の苦行を3年間行なうことになる。でも人生は面白い!このことがきっかけで「器」に興味を持ち陶芸を始めた。

でもこれからのデジタル社会における料理とは?最近考えることがよくある。このままメタバース仮想現実の空間が拡大し、人々がこの空間の中で長時間過ごすようになると、面倒なのがトイレと食事である。特に食事はいちいち現実に戻らずとも、仮想空間の中で済ませたらよい。そこでこれからの料理は宇宙食のようなチューブに入った流動食がよいかもね?

昭和時代チキンラーメンからはじまり現在インスタント食品主流となったように、次の時代は仮想食品が主流となるかも?でもいちばん可能性のあるのはサプリのような錠剤ですかね。メタバースの中の高級レストランに出向き、テーブルに置かれた和牛ステーキ見ながら、錠剤を口に放り込む。するとたっぷりな肉汁がジュワーと口に広がる・・・。(たった30年前、まだ趣味程度であった主夫の料理が今では常識!時代など爆速で変わって行く。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

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