お屠蘇
初めてお酒を呑んだのは、子供の頃のお屠蘇です。本みりんなので、お酒といえるか分かりませんが当時我が家では元旦の朝、家族全員が揃ったところで正月の挨拶をしたあと、父がついでくれたお屠蘇を飲む習慣がありました。朱塗りの銚子に入ったお屠蘇を、同じ朱塗りの杯に注がれ飲むのですが、甘く薬くさいその味はなんとも不思議な感じでした。
でもいつの頃からか、この習慣は我が家からは消えてしまい、その記憶さえ定かではないのです。とうぜん私の子供たちはお屠蘇は飲んだ事がないというので、私の代に廃止したのでしょう。理由は皆が喜ばないから。
暮れにふと思い出し、屠蘇を飲む習慣を復活させようとあの朱塗りの銚子と杯を探してみたのです。ところが家中どこを探してもみつからない。やはり邪魔だから処分したのか?残念だ。
お屠蘇は朱塗りの器でないとだめ。陶器の器では話にならない。唇に触れた時の感じが冷たいし、だいち雅でない。
それで今年はあきらめた。来年のためにまず朱塗りの器を買わなくては。
皆さんのご家庭では新年にお屠蘇を飲む習慣つづけてますか?(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎)