ラーメンには焼き豚!それも煮豚でなくこんがり焼いた焼き豚が良い。以前は街の中華そば屋でも外側に赤い食紅と八角を塗って焼いた焼き豚が入っていた。しかし今では手間がかかるので殆んどが煮豚で、あの側の赤い焼き豚には横浜中華街以外では余りお目にかからない。ところでイタリアの肉屋では子豚の丸焼き、「ポルケッタ」を店頭で焼きながら販売していることがよくある。子豚を丸ごと一匹串に刺し回転させながらこんがりと焼く、ちょっと可哀そうな気もするがこれが実に旨い。店先を通るといつも匂いにつられて素通りできず、つい買ってしまう。それをファストフードのように袋から手づかみで、暖かいうちに食べ歩きをする・・・。ところで家主の家はどこだろうか?地図を片手に捜し歩いた。
日本に住んでいるだけでは分からないことは結構ある。日本人の海外での評判もその一つだった。私は29歳の時にイタリアに一年間住んでいたが、そのあいだに宿を三度変えた。そのたびに不動産に行き空き室を紹介してもらう。当地では家主の許可も必要なのでメモ書きされた家主の住所を尋ね、面談しパスポートを提示する。それを見た家主はニコニコして日本人は大歓迎よ、二つ返事で部屋を貸してくれた。当時イタリアでの日本人の評判はすこぶる良かった。家主が言うには日本人は約束を守るし、家賃の支払いもきちんとする。なおかつ部屋を汚さず入った時より出る時のほうが綺麗なくらいだ、ともまで言った。
だから日本のパスポートを見せれば部屋が空いているのに、家主が貸し渋ることなどまずない。日本のパスポートは水戸黄門様の印籠か?「このパスポートが目に入らぬか?ははー!」だそうで自国民より優先するという。しかし同じイタリア人でもナポリから南の人は殆ど断るのだとか。家賃は遅れるし、突然引っ越して家賃を取れないこともしばしばだという。日本人の次に優先するのは、アメリカ人(アメリカ人は支払いが良いが、部屋をそこそこ汚す)と北部イタリア人、その次にヨーロッパ諸国の人、それからアラブ人、最後に黒人と南部イタリア人だと話していた。ペルージアには語学学校あり世界からイタリア語を習う学生が集まっていたが、黒人などは部屋をなかなか借りれず何人もで雑居していた。
当時は韓国や中国人などの東洋人は殆んどヨーロッパに来ていなかったので、現在の状況は分からないが、日本人の評判が良くないとは聞いたことが無いので、パスポートを見せれば、状況は今もあまり変わらないと思う。
(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎)