カプッチーノ

[センタ(すいません)」遠くにいるボーイに手を挙げ合図する。彼は軽くうなずいて私の方にやってくる。そのとき別の方向から「センタ」美しい女性の声がした。するとボーイは身をひるがえし女性のほうへ向かう。「あの野郎ー」俺が先に呼んだのに、といちいち腹を立てるあなたはこの国イタリアには住めない。この国の優先順位は後先の時間差ではない。まず女性が男性よりも優先順位が先だ。それに若くて美人ならなおさらだ。男性は若い人より年寄りの方が先、親しい友だちや顔見知りも優先する。それに上から目線の高圧的な人、階級社会のイタリアでは遠慮深いと下層民だと思われなめられる。だから穏やかな口調の若い男の旅行者など一番後回しになる!

ボーイを呼んだのは若い女性の二人連れ!彼はニコニコしながらオーダーも聞かず話しかけいる。「美人だねえ!どこから来たの?観光?町でも案内しますか?」必ず口説く。でもこれはイタリア男の「こんにちわ」程度の挨拶で、断られるのを承知で声をかけいる。彼らの文化では若い女性を見たらとりあえず口説かないと無視したと失礼にあたる。いっぽう女性は興味ある男性でも、何度かは断らないと尻軽女に見られると相手にしない素振りをする。一度断ってもどうせ何度もやってくるし、適当なところで受ければよいとなかなかオーケーしない。イタリア女性は自分の方からは笑顔を見せないし、ほとんどアプローチすることはない!男性が声をかけ続けることがこの国のルールだ!(女性に恥はかかせない)

そんなところに日本の若い男性や女性が進入したらどうなるのか?ここでいろいろな誤解が生まれる。若い美人の女性を見ても直ぐに口説きもしない冨岡は、どこか体が悪いか、ホモなのではないか?一方女性は急に自分はもてるようになったと錯覚する。言い寄る男達に笑顔で接すると、自分のことが好きなのだとすぐに勘違いされ付きまとわれる!あげくの果てに誰にでもなびく、尻軽女だと思われて付き合ってもじきに捨てられる。(でも女性にとっては面白い国だと思うが、男性は余程自分を変えないと、シャイな日本人の情念では住みずらくストレスがたまる)先日テレビを見ていたら、若いイタリア女性が「日本に住むのも良いが、誰も口説きに来なくて面白くない!」と話していた。

日本式が良いのかイタリア式が良いのかはそれぞれ長短があるので分からない。しかしこの二国の恋愛表現はあまりにも極端な違いがあると思う。

(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です