今年の夏は本当に暑い!もう九月だというのにまだ工房の前の森からは蝉の声もうるく聞こえる。いよいよ温暖化現象にも拍車がかかり、二酸化炭素の削減問題など待ったなしの状況でもある。それなのにトランプ大統領は自身の支持基盤である石炭堀の労働者雇用拡大などを叫んでいて、逆に石炭火力による発電の推進などと、いっこうにこの問題と真剣に向き合うそぶりさえ見せない。でも温暖化がどんどん進めばアメリカの穀倉地帯なども砂漠化し、農作物の収穫にも多大な影響が出てくる可能性もあると思う。すでにアフリカでは旱魃が進み多くの食料難民があふれる。人類は雑食でいろいろな物を食料にしてきたので、寒い氷河期も何とか生き延びてきた。
「蝉の幼虫を食用のために捕獲しないでください!」先日スマホを見ていたら埼玉県のある公園で、管轄の行政がこんな奇妙な張り紙を出したと言う。どうも誰かが羽化する寸前の幼虫を大量に採取しているという。目的は食料にしているらしい!行政の言い分は子供の昆虫採集ならまだ分かるが、食料として大量に捕獲するのは禁止するという。しかし来るべき食糧不足の未来を予測し、今から蝉の幼虫を旨く食べる料理法などを研究しているとしたら、あえて禁止にも出来ないのではないか?でも蝉は7,8年土の中にいるので飢きん時に食料にするには非常に効率が悪く、人類の救世食とはなりにくいのではないか。
私は戦後食糧難の時代に幼児期を過ごしているので、食べ物には敏感だ!よく見るテレビ、アメリカのディスカバリーチャンネルでは無人島に人を裸で置き去りにして数週間、何を食料にして生き延びるか試す番組がある。また米軍の海兵隊では、上陸した地点での食糧確保が難しくなった場合に備えて事前に、何をどうしたら食料になるかの研修も行われていると聞く。日本人も先の大戦でインドネシアなど南方の島々に送られた兵隊さんは、アメリカの進軍で補給路が絶たれると、野生の生き物や植物など通常では考えられないような物まで食べたと言う。食性が狭まると生き物は絶滅する可能性が高くなる。この先好きなステーキやトンカツが永遠に喰える保証は無い。
現代人は食料はスーパーやコンビニに行けば簡単に手に入ると思っているが、こんな事つい最近の話で先祖は昆虫も食料にしてきた。蝉の幼虫でも唐揚げにすれば多分喰える。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)