英語

「知らない国の人と友だちになりたい!」と思っていた私は若い頃、英語、イタリア語、フランス語などを熱心に勉強してみたがどれも上手く収得できなかった。やっとどうにか英語と、イタリア語の日常会話が出来る程度である。我々が中高生の頃、学校の英語教育はひどかった。英語の教師がまともに英語を話せず、間違った発音で生徒を指導していた。そこで不満を感じた私はネイティブ英語を学びたいと、御茶ノ水のアテネフランセまでわざわざ帰宅後に通い始めた。御茶ノ水駅を降りアテネフランセまで行く駿河台には、マロニエ通りと名付けられた通りがある。当時この通りは植えられたばかりであるが、マロニエの街路樹が続き眼下には神田の家並み望めた、なんとなくパリのモンマルトルの丘が夢想出来た。

「What’s news! なにかニュースない!] とこの言葉からアメリカ人教師の授業が始まる。すると我々高校生を差し置いて一緒に学習していた中学生の男の子が、今日の出来事などをすらすらと英語で述べた。これにはカルチャーショックを受ける。もっと直接ネイティブの英語を聞かないとだめだ!そして聞き始めたのが米軍基地からのラジオ極東放送FENである。でもこのFENもほとんどの時間音楽が流れていて雑音も入り、ニュースは一時間の内たった5分だけだ。仕方がないのでやっと買ってもらった、テープレコーダーに録音し繰り返し聞いた。(この頃はまだテープレコーダーは大きく高価で、巻き戻しもめんどうだった)

「タタタ、ター!ブレーキング・ニュース。」と毎朝見ているCNNのテレビ画面からは臨時ニュースが飛び込んできた。またトランプ大統領スキャンダルが発覚・・・。しかし今の時代は凄い!わざわざアメリカに留学などしなくても、茶の間で居ながらにしてアメリカのテレビ放送が、鮮明な画面と音声で同時に見られる。私が若い頃には全く考えられなっかった!私はこれを「お茶の間留学」と呼び毎朝楽しんでいる。時代を生き抜くには英語の習得も必要で、隣にいつ外国人が越してくるかもしれないし、孫が外国人と結婚しないとも限らない。しかし一方では自動翻訳機の進歩も早く、数秒で言葉を自国語に翻訳するという。すると英語など習う必要もなくなるかも・・・?

けや木の寄せ植えもこの様に黄色に色づき、秋の深まりを感じる。

(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

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