十日間も続くゴールデンウイークに入ったがこの季節にしては気温が低い。いよいよ五月からは元号も令和に変わる。でもこの元号最初は良いと思ったが、なんとなく日本の未来を予見しているのではないかと、最近感じるようになった。令の字にニスイが付くと冷で、なんとなく寒々しく感じる?日本がまだ若かった昭和の終戦直後から長い上り坂の続く高度成長期、それから平成に入りとバブル崩壊とダラダラ平らかに続いたデフレの成熟期。そしていよいよ人口も大きく減り始める令和はなんとなく衰退期の予感がする。それなのに何故こんなピッタリな枯れたイメージの、令の字を頭に持つ元号が選ばれたのか理解に苦しむ!優和、楽和、活和などもっと個人的には暖かく活力を感じさせる元号を付けて欲しかった。
世の中の景気というものはいつも波でやって来る。長短の景気サイクルは幾つかあるが、一番長い景気循環サイクルはコンドラチェフサイクルで50年前後で一回りするという。これが時代の流れの早い現代にも単純に当てはまるとも思わないが、人は一生のうちで誰でも良い時代と悪い時代を平等に経験するのは確かであろう。われわれ団塊世代は生まれた時が最低でその後、歳を重ねるにつれて高度成長期、バブル期、そして平成不況と栄枯盛衰をとりあえず経験した。コンドラチェフ波動から言えばそろそろまた回復期に戻るのか?でも少子高齢、国の財政は借金だらけ、優良企業は海外に出て空洞化、AIなど先端テクノロジーも米中に遅れをとる。
でもこの現象は何も日本に限ったことではない。先日フランスのアイコンとも言えるあのノートルダム寺院が火災で焼けたが、ヨーロッパ諸国でも同様だ。パリではいま週末になると、イエローベスト運動という労働者の生活困窮を訴えるデモが盛んに行なわれている。ここ数十年の間に先進国といわれた国々の中産階級の富が中国を始めアジア諸国に流れだし、代わってアジアで数億人の新たな中産階級を生み出している。金持ちになったアジア人がパリで高級ブランド品を買いあさり、一方没落したフランスの勤労者が移民排斥や税の軽減を訴え、シャンゼリゼのブランド店に石を投げる。そして衰退しているイタリアも新たに最近中国から資金援助を受けることを決定をした。一帯一路ユーラシア大陸が徐々に中国の赤色に染まっていくのは背筋が<令>、いや冷だ。
「お初にお目にかかります令和さん。明日からよろしく。良い時代にしてくださいね!」山吹の盆栽が芽を出し白い花がさいた。(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)