白菜

「白菜の四分の一カットが69円」スーパーに並ぶ冬野菜の代表でもある白菜のこの価格、安いのか高いのか・・・?テレビ取材での記者と店長の会話を聞いているだけでは、日頃買い物をしない私にはさっぱり分からない。でも昔に比べると食材としての白菜の重要度はずいぶんと低下してきている気がする。最近は白菜は鍋物に入れる程度で、漬物では余りお眼にかからない。私の子供のころ、白菜は冬になると三度の食事に添えるオシンコの定番であった。我が家ではシーズンには、いつも切らさず鉢に入った白菜の漬物がちゃぶ台に置かれていた。まだ米飯が主食で一汁一菜の当時、三杯もお代わりする食べ盛りの子供達には当然オカズがたりない。そこで重宝するのが白菜の漬物であった。

その頃毎年秋も深まると、八百屋の店頭には沢山の白菜が並ぶ。これを5,6個買い求めて自宅で母親が漬物に加工する。白菜の漬物作りは簡単、使い古した木の樽にカットした白菜を並べ塩を振る。これを何段かに重ね落し木蓋を置き、上から子供の頭サイズの玉石を乗せれば完了で、数日経つと塩水が染み出てきて白菜の漬物の出来上がる。私は白菜の漬物は浅漬けが好きだった。塩辛くなく白菜の甘みさえ感じるこの浅漬けなら、ご飯が進んで何杯もお代わりした思い出もある。しかし時間が経過すると漬物はだんだん酸っぱ味を増してくる・・・。以前隣家からオミヤゲだと韓国キムチのおすそ分けがあった。「やはり本場のキムチは旨い!」と妻は言うが私はこの韓国キムチがにがてだ。辛さや酸っぱ味はまだしも、魚など各種投入するので生臭く乳酸菌以外の菌も!二の足を踏む。

最近日本では各家庭で漬物を漬ける習慣がほとんど無くなったが、お隣韓国では晩秋に一家総出で、キムチを漬けるのが年中行事である。キムチ手当てという特別ボーナスも支給されるそうだが、日本と同じく少子で核家族の今でも、キムチ漬けが盛んなのかどうかは知らない・・・。先日大掃除をしていたら、母の代に使われていた梅酒漬けのガラス容器が床下から出てきた。中には何十年も前の干からびた梅が入っていたが、腐るでもなくそのままの姿を留めていた。今さらながらアルコールの腐敗防止効果に驚く。すると隣に意外な物を発見!庭石のような玉石二つ。「ふう、これは漬物石か?よく今まで捨てずに残しておいたな!」とつぶやき不必要になった玉石は庭に戻した。

玉石でも何かの役に立つ。「漬物石にもなりゃしない!」これは家でゴロゴロ何もしない亭主をむかし奥さんがなじった言葉。でも今では若い夫はマメになりこの語句も死語に。(勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

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