茶飲み話・バカチョン自動車

我々が青春時代にあこがれの職業が、カメラマンとデザイナーであったことは前に述べた。特にカメラマンはスタイルだけ簡単に真似できるので人気があった。当時流行のジーンズをはき、長髪でカメラを2台を首から吊るせば、すぐにプロカメラマンに変身する。被写体を求め風を切って街を闊歩し、シャッターをパチリ・・・。この頃人気があったカメラは、アサヒペンタックスなどのピント合わせが難しい一眼レフカメラである。にわかカメラマンが集い、エロとアートの判断基準が曖昧なヌードモデル撮影会も人気があった。アート作品撮るふりして、気取るんじゃないよこのスケベヤロウ!(俺じゃない。笑)

しかしそれから暫くすると、ピントを自動的に合わせてくれる「バカチョン・カメラ」という自動焦点カメラが登場する。すると誰でも上手に写真が取れるのでカメラマンのステイタスは崩壊し、職業として成り立たなくなった。いまではスマホにカメラが組み込まれ、老若男女あらゆる人が毎日多くの写真を撮る。

最近私も歳を重ねたので、買い替えを検討しているのが「バカチョン・自動車」と私が名付ける自動停止や追尾装置付きの車である。この車には多くの場所にセンサーが装備され自動焦点で鈍くなった年寄りの判断力を補う。この車に乗れば2年前に池袋で発生した、あの衰えた上級国民によるブレーキ踏み間違えの、痛ましい事故も防げたのではないかと推測する。

高齢者は通常私も含めて古い車に乗っていることが多い。池袋の上級国民の車も大分年期が入っていた。彼は金持ちのくせに車に乗るのもあと数年だと、バカチョンに乗り換えることをケチって大事故を起こした。先日ディーラーの進めもあり、ホンダショップに家族と最新軽自動車の試乗を行った。「いまの軽自動車エヌボックス・カスタムはすごいね!」室内は異常に広く内装は豪華でまるで高級車だ。しかもターボエンジンで音も静か、ブレーキまで踏んでくれて前後に衝突しない運転アシストときた。

しかしお値段を聞いてビックリ、フル装備で220万円だと!これでは普通車並みの価格である。10年近く乗る現在の車を乗り潰すことを考えていたが、高齢者運転事故多発を考えると迷ってもいられないかもね・・・。高齢者が運転アシスト付きの「バカチョン自動車」購入の場合、買い替えを促がす補助金をもっとたくさん出して欲しい。そうすれば高齢者講習開催よりも事故は減ると思う。

(高齢者には補助金などドンドンばら撒いてください。どうせそのうち先進国はどこも財政破綻するので使ったもの勝ちだ。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

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