「なに、1ドル123円だと、これはえらいこっちゃだ!」最近の急速な円安の進行にはビックリする。この主な原因はアメリカ金利上昇にある。FRBのパウエル議長がこれから1年後の米国公定歩合を2.5パーセントに段階的に上げていくと発表した。しかし日本の公定歩合は0パーセントなので、すでに金利上昇しているアメリカ国債を購入すれば2パーセント以上の金利がゲットできる。
すると当然米国債を買おうと日本の銀行や資産家の金がアメリカに流れていく。そして米国債を買うにはとりあえず、円を売ってドルを買う必要があるので円安になる。まずいことに一度この流れが始まると、我も我もと企業や一般庶民までもが米国に資金を移す。すると円安が進行し円を持っていると目減りするので、ますます円安は加速していくのだ.。こうして130、140と進んでいくかも?
円安の急速な進行は輸入物価を引き上げ、激しい物価高を招くので日銀は日本の金利も上昇させようとする。しかし哀しいことに日本は金利を上げることが殆んどできない。理由は1200兆円にも膨れ上がった赤字国債にある。現在の0パーセントの金利を1パーセントに上げただけで、12兆円もの利払いが発生する。日本の国家予算は105兆円なので、実際には97兆円しか使えなくなる。(でも赤字国債の多くは日銀自身が握っているので、例えばの話である)
「結構大変な事態ですよ、みなさん」あなたがもし老後資金2千万も銀行預金で持っていたとしても、1年前からすると円安で実際にはすでに16パーセント320万円も目減りしているのです。円安の進行は日々ゆったりと過ごす、年金生活者の日常をこれから脅かし始めます。これに対し経済音痴の岸田政権は何も出来ずにただ傍観している。ですから個々人で資産防衛するしかないです。
対策としてはドル預金をもつ、米国債を買う、金などの貴金属に投資(貴金属はドル建てなので円安になると通常上昇する)米国株やETFに投資する。などいくつかの方法があるが、突然円高に大きく戻ることもあるので危険も伴なう。でも基本日本の国力は少子化で弱まっていくので、長期的には円安方向ではないにか?(長かったデフレとも、そろそろお別れですかね。勝田陶人舎・冨岡伸一)