茶飲み話・旱魃

暑かった今年の夏も終わり、九月に入るとエアコンを止め過ごす時間も増した。早朝目覚めるとまず湯を沸かし抹茶碗を手にとる。すると庭からは微かに聞こえるコオロギなどの虫の音・・・。口に含んだ茶を転がし静かに目を閉じる。これといたストレスも感じない平和な日常にまずは感謝!そして歳を重ねるごとに体力は衰えるが自由度は増し、勝手気まま物思いに耽る・・・。

ところが今世界を見渡すと、欧州や中国では高温で降水量が少なく旱魃の被害に悩まされている。ヨーロッパではドイツを横切るライン川の水位が下がり、大型船の航行が出来ない。陸路で運べば物流費高騰を招く。ウクライナ戦争でのロシア制裁により安いロシア産天然ガス輸入も減らし、そのうえ物流コスト高ではインフレは加速し、庶民生活にも大きな影響が出る。

中国でもあの大河揚子江流域に雨が降らず渇水から川底が露呈し、接続する湖沼の水も干上がり、大量の養殖魚も死んでいる。そしてふだん湖沼に浮かぶ観光名所・古寺などにも歩いて渡れるため、多くの人が訪れているらしい。昨年は大雨が続き、洪水や長江を堰き止める三峡ダムの決壊が心配されたが、今年は一転大旱魃に見舞われた。しかし九月に入ると大量の雨が降り一転洪水に襲われている。

でも真の問題はこれからやって来る食糧不足の可能性である。数ヶ月前まで話題となった小麦などの穀物価格高騰もやっと沈静化しパン屋なども一息つくが、また再び旱魃による穀物不足が心配され始めている。ウクライナでは戦争による影響で作付けがまともに出来ないため、この秋の収穫は期待できない。そのうえトラックターなどの農機具もロシア兵が持ち去り、停戦しても直ぐには耕作できない可能性もある。

「今年の冬は大変ですよ」。エネルギー不足と食料危機が同時にやって来る。日本も電力不足から原発を再稼動し、電力危機に備えなることも必要だ。でも原発もよいが、いまウクライナでは南部の原子力発電所が標的にされ、大惨事になることもゼロではない・・・。(チェルノブイリ原発事故で懲りているのに、困ったものです。勝田陶人舎・冨岡伸一)