茶飲み話・金継ぎ

 

外国人の間で、いま日本の金継ぎがブームになっている!金継ぎとは割れた抹茶碗などを、ニカワでつなぎ元の形にした後、接着部に金粉を塗り装飾を施す技術だ。私も仕事柄、金継ぎには興味を持ち昔は見様見真似で金継ぎを行ったが、最近では要望もないのですることはない。もともと高価な茶碗などを修復する金継ぎが、外国人に人気とは少々不思議な感じもする。

「金継ぎこそ日本人の物を大切にするモッタイナイ文化の象徴!」と彼らは言う。日本ブームの過熱はついに金継ぎにまで波及し、その修復技術を習う人もいるらしい。もともと金継ぎは茶道の世界で受け継がれてきた貴重な茶碗を割った時に、捨てるのは惜しいと編み出された技法だ。

そして金継ぎの肝は、修理した部分を隠すのではなく、あえて金粉を塗り、目立たせる事にある。偶然その割れ方のバランスが良いと、新たな価値が生まれる場合も・・・。割れた茶碗を尊ぶ。こんなこと海外ではありえない話である。古い汚れた茶碗や壊れた茶碗でなく、まっさらな私の茶碗をどうぞ。(茶人でない私の個人的な感想。笑、笑)

長らく空き地になっていた我が家の前面の土地80坪が最近売れて、新しく住友林業の平屋が建った。近隣の宅地価格は坪百万以上するので、億を超える金額だ!買ったのは斜め前の刃物屋のご主人!昨今の日本食ブームで一本20万円の刺身包丁が海外で飛ぶように売れるらしい。コロナ下でもネット販売を続け、蓄財しという。

「十数年前には、今どき和包丁など売れないので店を閉めたい」と私にこぼしていたあの人が、最近会うとニッコニコ!あまりの変容ぶりに驚いている。AIなどの先端産業に向かうのもよいが日本の伝統芸などを継承し、世界に発信すれば意外とビジネスチャンスあるかも(観光地ではキモノを着た金髪女性も多く見かける。和服も外国人の間でブームになりつつあるようだ。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

 

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