茶飲み話・小判

 

「越後屋、お主も悪よのう!」ウ、ヒヒーと微笑む悪代官。前に置かれた越後屋からの贈答品の横には白紙に包まれた小判。子供の頃に見た時代劇の収賄シーンである。するとそこに「待ってました」と一人で踏み込んでくるのが奉行所の遠山の金さん。しかし言う事を聞かない悪代官は「野郎ども、たたき切れ」と手下に呼びかけチャンバラが始まる。でもえらく強い金さんは2,30人を相手にバッタ、バッタ。

しかしその頃の金さん役は高橋英樹ではなく、大河内伝次郎とか坂東妻三郎であったか?そして悪代官は言わずと知れた上田吉次郎。そしてこのシーンを今だに口にし、笑いを取るのが笑点メンバーの古株、林家木久翁である。でもその木久翁も来年の3月で笑点を降板するので、昔人になった団塊世代にとっては寂しい限りだ。

金貨や銀貨が流通していた江戸時代に、もし財政がひっ迫したら幕府はどうしたか・・・?紙幣と違い金は余分に刷れないので、大判小判のゴールドの含有量を減らすことで対応したのだ。そのため大判小判のゴールドの含有量は時代によって異なる。特に江戸時代後期には黄金の国ジパングから大量のゴールドが海外に流出した。

「日本はオランダやポルトガルによって、ずっと騙され続けた!」江戸時代に日本の金と銀、金銀比価は1対5である。ところが海外では1対15であった。(現在は1対80で銀が割安)そのためオランダ商人は日本に銀を輸送し、金に交換するだけで莫大な利益をあげた。原因は江戸幕府の情報不足である。鎖国中に南米のペルーやメキシコで次々に大きな銀鉱山が開発され、銀の国際価格は下落していたのだ。

この時に日本から流出したゴールドの量は膨大で、オリンピックプールの半分の量ともいわれている。現在日本政府が備蓄するゴールドの量はたったの845トンである。これはアメリカの7000トン、中国やドイツの3000トンと比べると極端に少ない。その代わり紙のアメリカ国債をたくさん持っている・・・。(日本政府は米国債など直ぐにたたき売ってゴールドを買え!だがアメリカが許さない。日本が米国債を売るとドルが暴落するのです。勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

 

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