茶飲み話・脱ファション

 

私は長い間、婦人靴のデザインを仕事にしていた関係からアパレルの流行には敏感であった。20代の頃には編み上げブーツやジョッキーブーツが大流行し、3万円もするロングブーツが飛ぶように売れた。そのためこの頃の靴業界は隆盛を極め、ボーナスも年に3度も支給されるほどであった。そしてこのブーツブームは10年ほど続いたが、その後ロングブーツは丈の短いハーフブーツに代わり徐々にブーツブームは沈静化していく。

当時は高田謙三を始め三宅一世、川久保玲、山本耀司などの日本人デザイナーも登場し、アパレルの本場パリでも注目されていた。そして来年の流行は何か?が議論され、トレンドを当てればビックビジネスにつながるので各社競って流行予測を行っていた。同時にカラーにも流行があったので、流行色を当てることも重要であった。当時の女性達は流行に後れたくないという意志が強く、競い合ってハヤリの衣装を身に着けていた。

ところが最近ではアパレルの流行など殆ど存在しない。各自が勝手に自分の意志で好きなものを身にまとっている。アパレルやシューズも機能性や価格で商品を選ぶようになった。それでも10年ぐらい前までは衣服はユニクロでもバックはブランド物という人もいたが、最近ではそのこだわりも消えているようだ。日本人が相対的に貧乏になったのか、価値観の変化なのかは知らない。

でも最近の若い子はスマホなどの通信機器にお金をかけている。高額なスマホをカバーで飾り、凝ったネールでスマホをタップ。しかし衣装はGUやH&Mなどのぺナぺナだ。これでは30年も前に一世を風靡したワールドやアローズも業績がよみがえることはない。たまに百貨店の婦人服売り場などを覗くと閑散としている。着飾る事を競って高額品を買った時代など、昭和と共に歴史のかなたに消えている。

ただ最近気になっているのが韓国などの影響で、美容整形が日本でもハヤリだしたことである。医学部を卒業した若い医師が通常の医師の道を進まず、美容整形を選ぶ人が多いので医師不足になっていると聞く。現在は医者になっても稼げないので高収入な美容整形を選ぶらしい・・・。(確かに2百万円でエルメスのバーキン買うより美容整形の方がコスパ良いかも?勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

 

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