ボンボン

夏の暑い盛りボンボンというアイスキャンディーを子供の頃よく食べた。ゴム製のヒョウタン型の袋に、凍った色つきの甘い汁が詰まっている。先の細い部分を歯で噛み切り、溶けてくる甘い冷たい汁をチュウチュウ吸いだす。そして量が少なくなると最後は小さくなった氷をガリガリ噛み砕いた。ただ親からはボンボンは不衛生で赤痢になることもあるので食べるな!と注意は受けていた。ただ電気冷蔵庫などが家庭にない時代、私は親の忠告も聞かずボンボンやアイスキャンディーなどを買い涼んでいた。夏休みになると早朝ラジオ体操のあと、子供達がホウキで町内の道を掃除することになっていた。(当時、これも夏休みの日課の一つ)するとこのボンボンのゴムがあちこちに落ちていて集めて回った。

「帽子をかぶって行きなさーい」母親の声が背後から聞こえる夏休みの午後、炎天下に外に出て虫取りに行く。いつもは玉網に虫かごを持っていくが、時々は駄菓子屋でトリモチを買う。(ネバネバした粘液で水飴の様に割り箸でとる、一回分5円)しかしこのトリモチの扱いが大変だ!トリモチは何にでもくっ付く。ただ水には付かないので、これを唾をつけながら良くしなる矢竹に塗り付けると準備完了!これを振り回しいろいろな虫をくっ付けてとる。これが非常に面白い!蝉などもくっいたままミンミン啼いて暴れる。しかし夢中になって竹を振っていると、じぶんの髪の毛や友達の髪の毛にもくっ付いてしまう。

さあ大変だ!一度付いたトリモチは絶対に外れない。無理に取ろうとすると髪が抜けて痛い。仕方がないのでトリモチの竹が付いたままの頭で自宅に帰り、親に髪の毛を切って外してもらった。「ああ、せっかくの可愛く仕上がった坊ちゃん刈りがこれでは台無しだ!」私は今まで一度も丸刈りにしたことがない。坊主頭が大嫌い!当時は多くの中学が男子は坊主頭が強制されていた。唯一市川中学が二年前に整髪が解禁になったので、中学は市川を選んだ。もうトリモチは絶対に買わない!と思うのだがしばらくするとまた繰り返えした。ただトリモチは空気に触れていると徐々に粘着性がなくなる。その日に買ったトリモチは翌日にはもう使えない。

今日は工房の別の盆栽を掲載する。この盆栽鉢も自作です。

(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)

 

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