先日セブンイレブンのチキンカツサンドを食べていると、もう43年ほど前になるあることを思い出した。当時はまだ日本ではスーパーマーケットが全盛の頃で、コンビニなどまだない。たまたま雑誌「商業会」のセミナーに参加した私は、その時一人の講師の先生と知り合いになる。そして後日、その先生の企画するセブンイレブンなど、アメリカの商業施設を視察するツアーに参加することになった・・・。羽田から飛行機に乗りロスアンゼルス空港に午後3時頃に着くと、当日は時差の関係でホテルに直行し休息をとるスケジュールだった。でも若かった私は夕食にはまだ早いので、何でも見てやろうと近くのダウンタウンへと一人で散策に出かけたのだ。
そしてその帰り道「ちょっと一緒に歩いて!」突然白人のおばさんが、私の所へ駆け寄ってきてぴたりと寄り添う。「ど、どうしたんだ?」あっけにとられていると背の高い黒人2人が後ろからつけて来る。見ると顔つきはまだ子供で中学生位だろうか?なのに恐ろしく背が高い!でもちょうどその頃ブルースリーの映画が全盛期で、東洋人は小さくても空手が強いというイメージがあった。彼らを睨み返し、無視して歩くとあきらめたのか立ち去っていった。ワンブロックほど一緒に歩くと、おばさんは後ろを振り向き安堵の溜息をついた。そして礼を言い離れて行ったが、「アメリカはやばい、危うくトラブルに巻き込まれるとこだった!」
翌日は大型モールを視察の後、いよいよ日本にも導入されると噂のあった、セブンイレブンの店舗をバスで訪れた。始めて見るアメリカのコンビニは精彩がなく、繁盛している様子も無かった。「こんな店、日本で流行るのか?」これが始めて見るコンビニの印象であった。そのさえなかったアメリカのセブンイレブンはその後、倒産寸前のところをイトーヨーカ堂に買収されその傘下となる。そしてコンビニは日本で独自の進化をとげ今日の隆盛をみた。セブンイレブンから始まった数社の激しいシェア争いはオニギリや惣菜など、お互いに切磋琢磨!日本全国津々浦々までコンビニは広まった。しかしこのコンビニもそろそろ飽和状態で売り上げも限界にきている。
物流の形態は常に変化し、アマゾンなどネットでの買い物も拡大中!そしていつかコンビニも衰退していくのか?
(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)