「ご自由にお取り下さい!」先日いつも通る近所の家の塀の上に、この張り紙と共にゴウヤが3,4本置かれていた。塀越しに見ると、大きな西側のガラス窓の日よけに植えたゴウヤの蔓が高く伸びている。もうシーズンは越えてきたがまだ所々にゴウヤが何本かぶら下がり、一部黄色くなった物も!最初は喜んで食べていた家族も頻繁に食べると飽きてくるのか、処理に困っているようだ。近ごろ暑い夏の日よけにゴウヤを植えることが、電力会社からも推奨されているようである。かつては軒先の日よけにはゴウヤでなくヒョウタンやヘチマが植えられていたが、近年では余り見かけなくなっている。
「ヘチマでは体を洗わらない方が良いらしい!」我が家では、父親がヘチマで体を洗うことを好んでいたために、風呂場にはいつもヘチマが供えられていたが、私の代になって使わなくなった。ヘチマでゴシゴシ体を洗うと、余分なお肌の表皮まで落とし美肌によくない。また天然繊維のヘチマはニキビを引き起こし悪化させる、ブドウ球菌やB群連鎖球菌などという怖い菌が沢山増殖しているという。そこで今では小さいタオルで体を洗っている。確かにヘチマを暫く使っていると、ヌメリが出てきていかにも不衛生と感じることもあった。
そう言えば最近ニキビ面の中高生が本当に少なくなっている。朝電車の中で通学する多くの生徒を眺めているが、昔のようなニキビ面の子を殆ど見かけない。何か皆で特別な対策(プロアクティブなどを使っているとか)をしているわけでは無いと思うので、まさかヘチマで体を洗わなくなったことが、原因だったとも思えない。でも一様に皆さん昔の子よりは数段美肌でスッキリとしている。ニキビの主な原因は食べ物やストレスなどということだが、現代っ子が食べ物に気をつけていたり、以前よりストレスが無いとも考えにくい。詰襟の学ランに坊主頭でニキビ面、近寄ると脂臭い体臭がする。我々の世代ではこれが男子生徒の一般であったのだが。
ところでヘチマは沖縄ではゴウヤと同じで食用にすると言う。あの筋の強いヘチマが食用になるとは考えにくいが、小さいうちは筋がないらしい。
(千葉県八千代市勝田台、勝田陶人舎・冨岡伸一)